2016年07月

犬の熱中症予防と応急処置

犬の熱中症予防と応急処置

暑い夏の時期は、熱中症に気をつけなくてはなりません。

もちろん、それは犬も同様です。
 
熱中症とは、体内にこもった熱が原因で体の機能に異変を起こす症状のこと。毎年多くのペットがこの症状によって動物病院に運ばれています。
 
その恐ろしさを理解し、愛犬がつらい思いをしないよう体調管理に気を付けてあげましょう。

熱中症で起こりうることとは?

犬は高温多湿に弱い動物です。その体は毛皮に覆われており、汗腺は肉球にしかないため、人間のように汗をかいて体温調節することができません。舌を出して「ハアハア」と口で呼吸すること(パンティング)でしか体温を下げることができないため、体に熱がこもりやすく、人間よりも熱中症にかかりやすいのです。
 
熱中症は症状が急速に悪化する恐ろしい病気。ついさっきまで元気だったのに、少し目を離した隙に呼吸困難を起こしていたり、意識を失っていたり、最悪の場合命を落としてしまう危険性さえあります。初期症状での適切な処置と、普段の予防が大切だと言えるでしょう。
 

なりやすい時期はいつ?

気温が上がりやすい初夏から真夏にかけての時期に、もっとも症状が出やすくなります。しかし、夏ではないからと言って油断はできません。梅雨など高温多湿の時期、温度が上がりやすく換気のできない車の中や狭い室内、曇りの日や朝や夕方であっても湿度が高い日などは注意が必要です。
 

熱中症の初期症状ってどんなもの?

熱中症にかかった犬は、呼吸が浅くなり、苦しそうに息をしたり、よだれをダラダラと大量に垂らしたりします。目が充血し、口腔粘膜が充血してくることも。さらに下痢や血便、嘔吐を引き起こすようになったら要注意です。
 
そのまま症状が進行すると、ふらついたり倒れて呼びかけに応じなくなくなったりするでしょう。全身けいれんを起こし、意識を失う可能性があります。
 

応急処置の方法をご紹介!

とにかく、体を冷やすことが大切です。木陰や冷房の効いた室内など、涼しい場所に移動させ、氷水で冷やしたタオルか保冷剤で体を包むか、氷水を張ったタライや浴槽に体を浸けましょう。
 
首のつけねや脇の下を冷やすと効果的です。意識がある場合は充分に水分を取らせてください。症状が重い場合は車の冷房を効かせ、一刻も早く動物病院に運びましょう。
 

普段からの予防が大切です!

普段から、高温多湿になる場面を作り出さないことが大切です。炎天下での散歩や激しい運動は控えましょう。「窓を少し開けておいたから」「曇りだから」といって車の中に置き去りにするのも厳禁です。
 
また、家の中であっても、冷房をしっかり効かせるか風通しをよくしてあげてください。夜中でも水皿に水をたっぷり入れておき、常に自分で水分が取れるようにしておいてあげましょう。散歩時には保冷剤を一緒に持ち歩き、ちょっとした場面で体を軽く冷やしてあげると効果的です。
 
犬種によって、熱中症になりやすいタイプもいますので注意が必要です。普段はそれほど神経質になる必要はありませんが、愛犬の体調の変化にすぐ気が付くよう気を配ってあげましょう。犬の平均体温は38.5~39度。自分の愛犬の平熱を知っておき、定期的に体温を測るようにしてあげてください。
 

猫の熱中症の主な症状と対策

猫の熱中症の主な症状と対策

夏のペットのトラブルでよく耳にするものの一つに熱中症があります。

 熱中症はどちらかと言うと、太陽熱を蓄えたコンクリートの上を散歩する犬がかかりやすい病気と言われているため、「猫は熱中症にならないのでは?」なんて思っている方もいらっしゃるかもしれません。
 
しかしそれは大きな間違い。ここではかわいい猫を熱中症から守るために、猫の熱中症の主な症状とその対策についてご紹介します。

熱中症になってしまうシチュエーションと原因、対策

猫は、犬に比べて熱中症になりにくいと言われていますが、生き物である以上条件が揃えば、猫ももちろん熱中症にかかることがあります。しかも猫の場合は、犬に比べて熱中症の症状がわかりにくいため、気づいた時には重篤な状態に陥っていることも少なくありません。
 
部屋の中を自由に行き来できる猫は、うまく熱のこもらない場所を探すことが得意だと言われていますが、それでも熱中症になってしまうことがあります。
 
主なシチュエーションとしては、暑さが厳しい中外に連れ出したり、蒸し暑い日に部屋の窓を閉めきっていたり、日中ケージの中に閉じ込めていたりすると起こる場合が多いようです。部屋の中に関しては防犯上問題がないのであれば、部屋のどこか1カ所窓を少し開けておき、全体の風通しを良くしておくことが大切です。
 
また、部屋を行き来しやすいよう、ドアを開けておくことも忘れずに。直射日光の当たりやすいところはカーテンを閉めて日陰を作るのも有効です。特に暑い日には、エアコンのドライ機能を使って室温を25度~28度前後に保っておくのもよいでしょう。
 
その他、新鮮な水をたっぷり用意しておくようにしましょう。ペット用の冷却グッズとして、アルミプレートなども販売されていますが、これらに頼りすぎず、できるだけ風通しを良くし、室温を上げないこと、そして新鮮な水を飲めるよう環境を整えることが大切です。
 

猫の熱中症の初期症状

万が一猫が熱中症になってしまった場合、どんな症状が現れるのでしょうか。猫の熱中症の初期症状としてよく見られるのは、明らかに大量のヨダレが口からあふれる症状や、パンティングと呼ばれる、犬のように舌を出して息をする行動です。ハアハアと苦しそうに息をしているようなら、猫の体調不良を疑ったほうがよいでしょう。
 
また、体を触ってみて、いつもより体が暑く感じる場合も同様です。通常、猫の体温は37度から39度ほどだと言われていますが、熱中症になると体温が40度以上になることもあります。また、よろよろ歩いたり、嘔吐や血尿、意識がなくなるなどの症状が出る場合は、とにかく猫の体を冷やし、一刻も早く動物病院に連れて行くことが大切です。
 
熱を下げるためには、首の周りに冷やしたタオルを巻いたり、霧吹きを使って全身を濡らしたりするのが効果的です。ただし、冷やしすぎると体によくありませんので、気をつけましょう。
 

熱中症になりやすい猫の特徴

実は猫種によって、熱中症にかかりやすい猫がいることが分かっています。例えばペルシャやエキゾチックショートヘアなどの短頭種は、鼻腔が狭いため呼吸がしづらく、熱を発散しにくい猫種として知られています。また、太っている猫は体に熱をためやすく、呼吸がしづらい体になっていることから、熱中症にかかりやすいと言われています。
 
その他、体が未発達な子猫や、体の器官が衰え始めている老猫なども、比較的熱中症にかかりやすいことが分かっていますので、こうした猫と暮らしている方は、より一層熱中症にならないための環境作りが大切になります。
 
 
熱中症は、人間が留守にし、部屋を閉めきっているときなどに起こることも多々あります。家に帰ってきた時にはすでに手遅れの状態だった……なんて悲しい事態を引き起こさないためにも、しっかり猫の熱中症対策を行いましょう。
 
万が一猫が熱中症らしい症状に陥っていたら、体を冷やしながらすぐに動物病院へ連れて行くようにしてください。
 
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