ペット図鑑

フレンチブルドッグ【French Bulldog】

フレンチブルドッグ/ペット図鑑

原産国 フランス
体重 10kg前後
体高 26cm~31cm
グルーブ 9G

特徴

体は筋肉質でがっちりしています。鼻が短い短頭種で、角形の頭部は大きく、下あごが巻き上がっています。大きな立ち耳が特徴的で、コウモリの羽のようなのでバット・イヤーと呼ばれています。被毛は短く、滑らかで光沢があります。他の犬種に比べて白目の割合が多く口も大きいため、表情がとても豊かです。

性格

聡明で活発、愛情深いので飼い主や家族と過ごすことが大好きです。神経質ではないので無駄吠えが少なく、集合住宅でも飼いやすい犬種です。他の犬には友好的ですが、家族以外の人に対してすぐ懐くことは少ないようです。もともと闘犬系の血が入っていることもあり興奮しやすい面があります。

毛色

毛色は、フォーン(明るい茶系)、クリーム、ブリンドル(黒地のベースで、褐色系やホワイトなどの色が入ってくる毛色)、バイド(白地のベースに黒系や茶系の色が入りぶち模様になる毛色)などがあります。

育て方

がに股の体型なので、股関節に負担がかからぬように、適度な散歩や運動を心がけてください。散歩は朝夕20分程度を目安に行うと良いでしょう。とても遊び好きなので、室内でたくさん遊んであげてください。
穏やかで人懐っこい性質なので人間と生活がしやすいものの、ブルドッグ特有の頑固な一面も持っているので、子犬の頃から根気よくしつけて社会性を身につけさせてあげてください。
被毛は短いですが、抜け毛が多いのでブラッシングはこまめに行ってください。暑さ寒さに弱いので必ず室内で飼い、冬は服を着せるなど季節に合わせた工夫が必要です。 顔のしわは汚れがたまりやすいので、定期的に優しくふいてあげると良いでしょう。

気をつけたい病気

短頭種は、生まれつき鼻から喉頭にかけての気道が狭いという身体的特徴を持っているため、短頭種気道症候群には特に注意が必要です。普段からいびきや呼吸音に注意し、頻繁になったら早めに獣医師に相談して下さい。
短毛のため紫外線によるトラブルや接触アレルギーなどの皮膚病や、椎間板ヘルニア、外耳炎、悪性腫瘍(がん)などの病気もかかりやすいことが知られています。

歴史

起源には諸説ありますが、1850年頃に、イギリスで飼われていた小型のブルドッグが織物職人と共にフランスに渡り、そこでパグやテリアなどと交配されて誕生したという説が有力です。当初は鼠の捕殺に用いられていましたが、改良を重ねる中で温和な性格になっていき、愛玩犬として貴族の間で大変人気になりました。この頃は立ち耳と垂れ耳の2タイプがいましたが、アメリカ人のブリーダーがフランスから自国に持ち帰って交配を重ねた結果、立ち耳が犬種の標準とされるようになりました。
日本には大正時代に家庭犬として紹介され、昭和初期にかけて数多く飼育されました。その後、2つの戦争を経て人気は衰えましたが、近年その人気が再燃し、多くの人に愛される犬種へと復活しています。

メインクーン【Maine Coon】

メインクーン/図鑑

原産国 アメリカ
公認団体 CFA・TICA・ FIFe ・ GCCF
毛種 長毛種

特徴

長毛種の中で最も大きく、牡は6~9kg、牝は3~6kg程度が一般的ですが、成長に時間がかかるため3~5歳でようやく完全に成長した体になります。体は筋肉質で骨格もがっしりとしています。全身はダブルコートの厚い被毛に包まれ、しっぽも長くふさふさとしています。

性格

穏やかな性格で、ジェントル・ジャイアント(やさしい巨人)と呼ばれることもあります。愛情深い性質ですが、人間に過度に依存することはありません。他の動物や子どもとも仲良くできます。猫の中でも知性が高く、飼い主の活動をよく観察しています。聞き分けも良くしつけもしやすいため、初心者でも飼いやすい猫種です。

毛色

様々な毛色と柄のパターンがありますが、特にブラウンやシルバーのタビーが知られています。バイカラーやキャリコ(三毛)なども存在し、その種類は公認されているだけでも30種類以上あります。

育て方

猫種の中でもとりわけ大きいので、しっかりした体を作るためによく運動させ、年齢に応じてバランスのとれた栄養を与えてあげてください。
活発で運動量が多いので、体格に合わせたスペースが必要です。また、高い所に上るのも好きなので、キャットタワーを設置する際は、足場の安定したものを固定するようにしてください。
賢く聞き分けも良いため、しつけは比較的しやすいようです。
被毛には防水・防寒のための皮脂が十分にまわっていて汚れやすいので、できれば毎日ブラッシングやコーミングなどの手入れを行ってください。

気をつけたい病気

平均寿命は11歳から14歳くらいで、他の猫種に比べて短命の場合が多いようです。
肥大型心筋症、多発性のう胞腎などの遺伝性疾患を発症しやすい傾向があります。予防のできない病気ですが、適切な対応ができるように、まずどのような病気かを知り、日頃から体調に気を配ってあげることが大切です。また、定期的な健康診断を受けると良いでしょう。

歴史

北アメリカでもっとも古い猫のひとつです。起源については多くの伝承などが残されていますが、はっきりしたことはわかっていません。体の模様や狩りの習性がアライグマ(ラクーン)に似ていることから「クーン」と名付けられたと言われていますが、そのアライグマと猫の交配で生まれたという伝説まであります。最も有力と言われているのは、バイキングの船に乗っていた猫が各地の土着の猫と交雑し、誕生した子猫がアメリカに入ったとする説です。
1800年代後半キャットショーで人気となり、1895年マディソンスクエアガーデンでのキャットショーで最高賞を受賞しました。1900年代に入ってからは、ペルシャなどの長毛種に人気を奪われてしまいましたが、熱心な愛好家たちの尽力により少しずつ人気が回復し、1980年までに、TICA、CFAほかすべての血統登録団体に猫種として登録されました。名前の由来でもある アメリカ・メイン州では、公式の州猫として認定されています。

トイプードル【Toy Poodle】

トイプードル/ペット図鑑

原産国 フランス
体重 4㎏以下
体高 26㎝~28㎝
グルーブ 9G

特徴

体長と体高がほぼ同じのスクエアな体型で、細い手足と小さな頭を持ち、とても優雅な印象です。独特のカールを持つ被毛に覆われており、慣例となっているクリップ(刈り込み)が特徴的で、その容姿は高貴で気品に溢れています。
JKCが認めているプードルのサイズは、スタンダード、ミディアム、ミニチュア、トイの4種類ですが、サイズを除いて犬種標準は同じです。公認以外にもタイニープードルやティーカッププードルなど、トイよりも小さなサイズのプードルもいます。

性格

プードルは全般的に、好奇心旺盛で運動能力の高い犬種です。非常に賢く、トイプードルはその中で最も賢いと言われています。飼い主には従順で、家族に対しても愛情深く、他人や他犬にもフレンドリーです。一方で、非常にデリケートな面があり、小型犬になるほど警戒心が強くなる傾向があるようです。

毛色

毛色はブラック、シルバー、ブラウン、アプリコット、ホワイト、ブルー、グレー、クリームなど様々な色があります。プードルの毛色は単色が理想とされていますが、濃淡は認められています。また、毛色によって性格に違いがあるとされています。

育て方

活発で運動能力の高い犬種です。欲求不満でいたずらしないよう、しっかり運動させてあげてください。毎日の散歩以外にも、ドックランなどで自由に走らせたり、ボール投げでレトリーブさせたりするのもおすすめです。スタンダードプードルの場合、大きくても身のこなしが軽いので、ドッグスポーツやアジリティも楽しめます。
非常に賢く記憶力もいい犬種なので、大変しつけやすいと言われています。たくさん褒めてやる気を引き出してあげてください。
シングルコートのため抜け毛は多くありませんが、くるっとカールした被毛が絡まりやすいので、毎日のブラッシングは欠かせません。頭や手足、胸の被毛を丸く大きく残すプードル独特のクリップ(刈り込み)はある程度長さが必要なので、伸ばす時は毛が絡まらないよう特に注意が必要です。

気をつけたい病気

プードル全般において内分泌器官の病気が好発するとされていますが、トイプードルは、特にクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)の好発犬種です。元気がなく、多飲多尿などの症状が見られたら、獣医師に診てもらってください。
また、プードルは骨折や関節炎の多い犬種としても知られています。手足の細さの割に体ががっちりして体重があるため、高い所から飛び降りるなどして起きることが多いので、無理のない運動を心がけましょう。

歴史

非常に古い歴史があり、紀元前30年頃のローマ皇帝の記念碑にスタンダードプードルと思われる犬の姿が彫刻されているほどですが、起源について、はっきりしたことはわかっていません。
もともとは鳥獣猟犬に使われた犬で、さまざまなタイプがヨーロッパ各地にいたようです。ドイツを経由してフランスに入った後に、改良と小型化が進められ現在に至っていると思われます。16世紀までのプードルは、現在のスタンダードプードルくらいか、それよりも体が大きかったようです。おもに水猟犬として鴨狩の際に仕留めた獲物を水に入って回収する回収犬として大変重宝されていました。現在では装飾のためになされるクリップですが、水猟犬として活躍していた頃に、水中での動きを容易にするために心臓などのある胸の毛を残して、あとはカットしていたのが始まりと言われています。
16世紀頃から、その容姿を貴婦人たちに愛されるようになり、愛玩犬としても人気となりました。特に、フランスでは王侯貴族の寵愛を受け、のちにフランスの国犬にまでなりました。17世紀頃には、スタンダードプードルを基準に様々なバリエーションのプードルが誕生し、愛玩犬としての人気がより高まっていきましたが、ミニチュア化の経緯についてははっきりとわかっていません。近年では、トイプードルよりさらに小さいタイニープードルやティーカッププードルも登場しています。
トイプードルは、現在でも愛玩犬として世界中で愛され続けていますが、セラピー犬や警察犬としても活躍しています。

スコティッシュフォールド【Scottish Fold】

スコティッシュフォールド

原産国 スコットランド(イギリス)
公認団体 CFA・TICA
毛種 短毛種・長毛種

特徴

丸い目と丸い顔に折れ曲がった耳が印象的です。体格はがっちりしていて丈夫、全体的に丸みを帯びていて柔らかな印象です。「人間のよう」「プッダのよう」と言われるような独特の座り方をすることがあり、「スコ座り」とも呼ばれます。
柔らかい被毛は、長毛と短毛の2種類があり、分厚く密生しているため絨毯のような手触りです。
ピンと立った三角形の耳が特徴のスコティッシュストレートとは、同じ猫をルーツに持つため、耳の違いを除けば特徴や性格に大きな違いはありません。生まれた時はスコティッシュストレートもスコティッシュフォールドも立ち耳で、生後13日目から23日目にかけて折れ始めます。

性格

賢くて好奇心旺盛、家族と共にいることを好みます。活発な面とおとなしい面がバランス良く共存していて飼いやすい猫種です。環境の変化に対する適応力があるので、子どもや他の動物との相性も良好です。鳴くことは多いですが、鳴き声が小さいのも特徴です。

毛色

毛色は、スコティッシュストレート同様、体質の安定を目指し異種交配が進められたため、ソリッド(単色)だけでなく、タビー(縞模様)やキャリコ(三毛)などバリエーションが豊富で、すべての毛色が認められています。

育て方

耳が折れているため、耳に汚れが溜まりやすいので、定期的な耳掃除が必要です。折れている部分も丁寧に優しくきれいにしてあげてください。
被毛は密集していて毛の量も豊富なので、定期的なブラッシングやコーミングが必要です。特に長毛タイプは週に2~3回はブラッシングをしてあげましょう。こまめにブラッシングをしないと、毛が絡まって毛玉になりやすく、毛球症をおこしやすくなります。

気をつけたい病気

近親交配が多くなされてきたことから、遺伝性疾患が多く出ることが知られています。5~6歳までに発症することが多いので、日頃からよく観察するだけでなく、定期的に動物病院で検診をしてもらうのも良いでしょう。
非常に多くみられるのは遺伝性骨軟骨異形成症で、手足やしっぽの関節部の軟骨が瘤状に大きくなり、痛みが出て歩行困難となります。禁忌とされている両親とも折れ耳で交配した場合に発生する確率が非常に高いようです。
また、内臓疾患も起きやすいとされており、心肥大や腎臓障害、尿路疾患などが知られています。

歴史

歴史の浅い猫種で、1960年代にスコットランドの小さな農場で飼われていた猫が生んだ子猫の中に、耳の折れたネコがいたのが始まりです。「スージー」と名づけられたこの猫が生んだ子猫の中には折れ耳の子と立ち耳の子がいました。折れ耳の子はスコティッシュフォールドとなり、立ち耳の子がスコティッシュストレートとなりました。その後この折れ耳は遺伝することがわかり、1966年イギリスの猫種血統登録団体であるGCCFに登録され、本格的な繁殖が行われることになりました。しかし、骨格や聴力の異常が続発するようになり、1971年イギリスでこの猫種の登録と繁殖を中止することになりました。
その後はアメリカへ輸出されて繁殖が続けられ、1970年代までにはアメリカンショートヘアやブリティッシュショートヘア、エキゾチックショートヘアなどとの交配を行うことで、遺伝性の病気の影響を小さくできると結論付けられました。1977年にはアメリカでCFAに登録され、世界中で知られる大人気の猫となりました。

ロングコートチワワ【Long Coat Chihuahua】

チワワ/ペット図鑑

原産国 メキシコ
体重 1.5kg~3kg
体高 15 cm~23cm
グルーブ 9G

特徴

世界的に公認された犬の中でも最も小さな犬種で、利口そうで愛らしい表情をしています。手足は細いですが胴体と頭蓋骨はがっちりとしています。アップルドームといわれるリンゴ型の頭と、比較的大きな立ち耳の独特な容姿が魅力的です。被毛は柔らかくしなやかな長毛で、腕や頭部、しっぽに飾り毛があります。滑らかな短毛のスムースコートチワワとは、被毛を除いて犬種標準はほぼ同じです。

性格

明るく陽気ですが、勇敢で負けん気の強い面もあります。飼い主に対しては愛情深く従順ですが、警戒心が強いので家族と他の人をはっきりと区別する傾向があり、初対面の人には懐きにくいことが多いようです。

毛色

マール・カラー以外のすべての色調および組み合わせが認められています。主なものにピュアレッド、タン、ホワイト、ブラック&ホワイト、レッド&ホワイト、ブラック&タン、ブラウン&イエローなどがあります。

育て方

動きが機敏でとても活発なので、散歩は毎日30分程度を1~2回行ってください。室内でも色々な遊具を用意して十分に遊べるようにすると良いでしょう。
怖がりで社会性が低いため、防衛本能が強くなりすぎると無駄吠えが多くなる場合があります。小さい頃から積極的に外に連れ出して、他犬と触れ合う機会を作りましよう。
被毛はダブルコートなので抜け毛が多いですが、スムースコートに比べると毛の成長サイクルが遅く、抜け毛が少ない傾向が見られます。週に2~3回はブラッシングを行うと良いでしょう。 体が小さい上被毛も厚くないので、冬は衣類を着せるなどの寒さ対策が必要です。

気をつけたい病気

チワワには、頭部に「ペコ」と呼ばれる凹がある個体が多く出ることが知られています。
これは頭蓋骨の接合部(泉門)が不完全な状態で生まれてくることで起こります。ペコのある個体は特に頭に対する刺激や激しい振動は避けるようにしましょう。
ほかに起こりやすい病気は、膝蓋骨脱臼や眼病、神経疾患などが知られています。
高い運動神経を備えている犬種ですが、体が小さく華奢なので怪我や病気には特に注意が必要です。

歴史

起源や歴史ははっきりとわかっていませんが、10~11世紀頃メキシコを支配していたトルテカ族が飼っていた「テチチ」という小さな犬が祖先犬ではないかという説が有力です。メキシコのチワワ州からアメリカに持ち込まれたことからチワワと呼ばれるようになりました。
19世紀半ば頃、アメリカで品種改良が進められ、世界の人々の人気の犬種へと発展を遂げ、1904年アメリカンケネルクラブに登録されました。当初はスムースコートしかいませんでしたが、20世紀に入ってからアメリカでの交配の過程でロングコートチワワが誕生したと言われています。
日本には1970年頃から本格的に輸入されるようになり、以降都市化が進む中で、家庭で飼いやすい大きさのペットとして愛好される犬種となりました。

アメリカン・ショートヘア【American Shorthair】

アメリカン・ショートヘア

原産国 アメリカ
公認団体 CFA・TICA
毛種 短毛種

特徴

骨太な体格で筋肉もよく発達しており、どんな環境にも適応して生きられる生命力に満ちた猫種です。瞳はくりんとしたアーモンド型で、色はヘーゼル、グリーン、カッパーなどがあり、美しく印象的です。しっぽは長く、短毛ながら厚い被毛に覆われています。

性格

大変明るく陽気な性格です。好奇心旺盛なので、他のペットとも比較的仲良く暮らすことが出来ます。反面、自立心が強く孤独好きなので、抱っこされると嫌がる時もあります。 賢いので、しつけは入りやすい方ですが、トイレの場所を覚えるのはあまり得意ではありません。

毛色

日本でよく知られている銀灰色のほかにも黒、白、銀、クリーム色、赤、茶色、青など非常に多くの毛色があります。模様の種類もクラシックタビーから、ソリッド、バイカラーと、さまざまです。

育て方

家庭猫としての改良が続いてきたものの、ハンターとしての資質は健在なので、走り回って遊ぶことは心身の健康のために欠かせません。おもちゃで一緒に遊んであげてください。動き回りやすいように、しっかりしたキャットタワーを用意してあげると良いでしょう。
自立心が強い傾向があるため、しつこく触れられるのを嫌がることがあります、この猫種の個性と受け止めて無理に構わず、寄ってきた時そっと撫でてあげるなど柔軟に対応してあげると良いでしょう。
太りやすい傾向がありますので、食事管理は大切です。
被毛は厚いですが、短毛なのでお手入れは楽な方です。換毛期は抜け毛が多いので、しっかりとブラッシングやコーミングをしてあげるようにしてください。。

気をつけたい病気

非常に多くの猫との交雑があったことから、遺伝疾患は比較的少なく丈夫と言われています。かかりやすい疾患としては、ワクチン誘発性繊維肉腫があります。毎年同じ場所にワクチンを打つと、その部位に障害が起こりやすい傾向があると考えられているので、ワクチンの接種部位や、接種後の経過観察を記録しておくことが大切です。
肥大型心筋症もかかりやすい疾患で、中年齢以降の猫に多く発生します。しかし、この猫種では重症化することは少ないようです。心臓の機能が低下すると、不活発になり寝てばかりということが増えてくるので、元気がなさそうに見えたら動物病院を受診するようにしまししょう。

歴史

祖先猫は、イギリスのブリティッシュショートヘアで、移民と共にメイフラワー号に乗ってアメリカに入ってきたと言われています。当時はペットとしてではなく、穀物を荒らすネズミ退治のために飼われていました。ハンターとして大変優秀で、多くの農場や家庭で求められていました。
アメリカの農場が大規模化して穀物管理の手法が発展して以降、ハンターとしての役割は終わりましたが、特徴的な銀灰色のクラシックタビーの美しさに魅せられた愛好家の手によって、品種確立を目指して育種されるようになりました。
アメリカでは1895年のキャットショーでデビュー、日本には1980年以降に入ってきたとされています。1990年代後半から飼いやすい猫として日本でも大流行し、「アメショ」の愛称で親しまれています。

マンチカン【Munchkin】

マンチカン

原産国 アメリカ
公認団体 TICA
毛種 短毛種・長毛種

特徴

短い足が特徴ですが、短足の猫同士のかけ合せは死産する可能性が高いので、短足と通常の足長猫をかけ合わせているため、実際は短足、中足、普通の猫と変わらない長さの種類が存在します。短足猫が生まれる確率は全体の2割程度と言われています。
被毛は、短毛種長毛種どちらも存在し、瞳の色もアンバー、グリーン、ヘーゼルなど、さまざまな色のタイプがあります。

性格

大変陽気で好奇心旺盛なので、おもちゃなどに興味を示して元気に走り回ります。人間に慣れやすく、初めて会う人にもなつくことが多いです。穏やかな性格なので、他の猫や別の動物種と一緒でも問題なく飼育できます。

毛色

さまざまな猫種と交配されてきたために全カラーが公認されており、同じ柄の猫は存在しないと言われているくらい、バリエーションが豊富です。

育て方

体は小さいですが、非常にパワフルでスピードにあふれているので、遊ぶためのおもちゃやスペースは十分に準備してあげましょう。留守番をさせる時は、入ってほしくない場所には行けないように制限したり、誤飲を起こさぬよう細かいものなどは片づけておくことも大事です。
足が短いので一般の猫に比べて跳躍力が劣る傾向があります。体格に合わせてキャットタワーの高さを調整してください。
長毛種は週2~3回、短毛種も定期的にブラッシングまたはコーミングしてください。

気をつけたい病気

現在も雑種猫との交配が認められていることもあり、遺伝的な疾患は少なく丈夫ですが、両親とも短足タイプで短足の子猫は、原因不明の突然死などにより寿命が短くなる傾向があります。
短足ですが、ダックスフンド犬のように極端に胴長ではないため、脊椎についての問題は少ないようです。
高齢期、運動量の低下により肥満になることがありますが、糖尿病やヘルニアの原因となるので注意が必要です。また慢性腎不全が起こりやすいことが知られています。

歴史

人間の手によって掛け合わされた種類ではなく、突然変異的に発生した猫種です。突然変異の短足猫の存在は古くから確認されてきましたが、1944年にイギリスのジョーンズ博士によって初めて報告されたと言われています。
1983年に米国ルイジアナ州で突然変異の短足猫が発見されてから本格的な繁殖が始まりました。車の下で暮らしていたところを保護されたその猫は、「ブラックベリー」と名付けられ、様々な研究対象とされました。遺伝学上の検査の結果、健康体であることが確かめられた後、通常の足長猫との交配を試みたところ、同様の短い足を持つ子猫が誕生しました。その後ブリーダー主導による突然変異体を用いた異種交配の計画が始まりましたが、遺伝子疾患や免疫力の弱さを懸念する人たちと、この猫の愛くるしい姿に魅了され、交配を積極的に肯定する人たちの間で論争が巻き起こりました。
1980年代から北アメリカで繁殖が続けられた末に、1995年、ザ・インターナショナル・キャット・アソシエーション(TICA)から新種として認定されました。しかし、現在でも歴史が浅く遺伝性疾患のリスクの判断材料が少ないため、?国際的な猫血統登録団体であるCFA、GCCF、FIFeは、マンチカンを猫種として公認していません。
名前は、映画「オズの魔法使い」に登場する「munchkin(マンチキン)」(小さい人・子供の意味)に由来しています。

柴犬【Shiba Inu】

柴犬/ペット図鑑

原産国 日本
体重 牡8 kg~10kg、牝7 kg~8kg
体高 牡38 cm~41cm、牝35 cm~38cm
グルーブ 5G

特徴

小さくても骨格がしっかりとしていて筋肉もよく発達しています。バランスのとれた体格に三角形の目と立ち耳、力強い尾が特徴的で、全体的に素朴な印象です。尾は背中の上に巻く「巻き尾」(左巻きと右巻き)、鎌の刃のような半円を描く「さし尾」などがあります。被毛はダブルコートで、上毛は硬い直毛で下毛は柔らかく密生しています。

性格

猟犬や番犬として活躍してきた犬種なので、勇敢で大胆な気質を備えています。自立心が強く自信にあふれていますが、時に頑固に見えることもあります。飼い主には忠実で服従心がありますが、家族に対してはベタベタ甘えることは少なくクールに接します。また、保守的で防衛心が強いので、他人や他犬には厳しい態度を見せることもあります。

毛色

赤、胡麻(黒胡麻、赤胡麻)、黒褐色などがあります。マズルの裏白(逆マスク=鼻口部から目の上または頬にかけて広がっている白斑)はこの犬種の斑の特色です。

育て方

山岳地帯の猟犬として活躍していた犬種なので、小さくてもスタミナがあります。運動不足はストレスになるので、毎日1時間以上の散歩は必要です。可能であればドッグランなどで走らせてエネルギーを発散させてあげると良いでしょう。
警戒心が強く、他者から距離を置く傾向があるので、子犬の頃から他の人や犬と触れ合う機会を作って、社会性を身につけさせていくことが大切です。しつけにおいては、毅然とした態度をとりつつ、上手にほめながらトレーニングを行うなど、絆を深めながら進めていくと良いでしょう。
普段のお手入れは週に1回程度のブラッシングで大丈夫ですが、春と秋の換毛期は、大量に毛が抜けるので毎日丁寧にブラッシングをして抜け毛を取り除いてあげてください。

気をつけたい病気

病気にあまりかかりにくく丈夫な犬種と言われています。しかし病気になった時、我慢強いため病気に気づきにくいことがあります。少しでも異変を感じたら早めに獣医師の診察を受けるようにしましよう。
皮膚疾患の多い犬種で、真菌が原因であるものやアトピー性皮膚炎など、症状や原因は多様です。普段のお手入れの際、皮膚の変化にも注意しましょう。
健康で長寿が多いことも特徴ですが、痴呆の症状が出やすいと言われています。高齢になっても好奇心を刺激し、ゆっくりでも散歩に連れ出すことが予防になることも多くあるようです。

歴史

祖先は原始時代に南方から日本に渡ってきた犬と考えられおり、四国にある縄文時代の上黒岩古墳から骨が発掘されています。当時からずっと人と共に生活してきました。近代以降鳥獣猟犬として飼われており、長い間に各地にちらばって、信州柴、美濃柴、山陰柴など、その産地は広域にわたります。
明治から大正にかけて洋犬が流行して交雑化が始まり、昭和の初めには純粋な日本犬はわずかとなっていました。絶滅から守ろうと日本犬保存会が発足され、頭数が回復、昭和12年に天然記念物の指定を受けました。その後、第二次世界大戦後の食糧難の時代や、昭和27年に犬ジステンパーが流行したことによって頭数が激減した時期がありましたが、柴犬保存運動が起こり、絶滅の危機を免れました。
現在では家庭犬としても人気の高い犬種です。日本国外でも人気が高く、日本語の読みをそのままローマ字にした「Shiba Inu」という名前で呼ばれています。
小さいサイズの柴犬を豆柴、小柴といい、人気がありますが、特定の犬種ではありません。ジャパンケネルクラブ(JKC)では、豆柴は「小さい柴犬」となっており、JKCが発行する血統書には、豆柴は「柴犬」と記されます。

ミニチュア・ダックスフンド【Miniature Dachshund】

ミニチュア・ダックスフンド

原産国 ドイツ
体重 3.5㎏~4.8㎏
体高 牡23㎝~27㎝、牝21㎝~24㎝
グルーブ 4G

特徴

特徴的な胴長短足の体型で、体長は体高の約2倍あります。がっしりとした骨格で筋肉もよく発達しており、マズルがやや長めで耳は大きくて垂れています。被毛は、短くて光沢のあるスムースヘアード、長くて柔らかなロングヘアード、長くて粗いワイヤーヘアードの3種類があります。
ダックスフンドは胸囲のサイズによって3種類に分けられています。成長が落ち着いた生後15カ月を超えてから、胸囲を測って35cm以上ならスタンダード、30~35cmならミニチュアダックス、30cm以下ならカニンヘンダックスということになります。従って、サイズを除き犬種標準はほぼ同じです。

性格

明るく活発で、好奇心旺盛です。家族に対しては愛情深く接しますが、他の人や犬に対しては警戒心が強く神経質になることがあります。また、もともと狩猟犬だったこともあり、大胆で物おじせず、負けず嫌いな面があります。交配の影響で、被毛の種類によって性格に違いがあると言われています。スムースヘアードは遊び好きで、ロングヘアードは人懐っこい甘えん坊が多く、ワイヤーヘアードは気が強い傾向があるようです。

毛色

毛色は、バリエーション豊かで、被毛の種類によって異なります。
単色ではレッド、レディッシュ・イエロー、イエロー(クリーム)などがあり、2色ではブラック&タン、ブラウン&タン、ブラック&イエロー、ブラウン&イエローなどがあります。混色ではダップル(大理石模様)やブリンドル(縞目)などです。
ワイヤーヘアードの場合は、この他にワイルドボア(イノシシ色)や枯葉色の単色も認められています。

育て方

とても活発なので、少なくとも1日1時間以上の散歩は必要です。遊びも大好きなので、ボール遊びやゲームなどでたくさん遊んであげると良いでしょう。
狩猟犬としての特徴をもっているので、吠えやすく喧嘩っ早いところがあります。子犬の時からしっかりとしつけをしたり、他犬や他人に接して社会性を育むことが大切です。狩猟犬の場合は特にしつけや訓練を怠ると、手が付けられなくなってしまうこともあるので、子犬の時から責任を持ってしつけを行ってください。
被毛はダブルコートで、特に換毛期はよく抜けますので、定期的なブラッシングが必要です。ロングヘアードとワイヤーヘアードは週に2~3回以上が望ましいです。スムーズヘアードの場合は、冬の寒さに弱いので、衣類を着せるなどの工夫をしてあげると良いでしょう。

気をつけたい病気

胴体が長く腰や股関節などへの負担が大きいため、椎間板ヘルニアなどの関節疾患にかかりやすいことはよく知られています。成長期には運動でしっかり筋肉をつけ、中年齢以降は肥満にならないように食事管理が大切です。
また、足が短いことから、地面と腹部が近いため、腹部を傷つけてしまったり、暑い時期は熱中症に注意が必要です。
この犬種は毛色の掛け合わせにより、てんかん、股関節形成不全、進行性網膜縮症(PPA)などの遺伝性疾患を受け継いだり、障害をもって生まれてくることも少なくありません。

歴史

歴史が古く、その起源は定かではありませんが、スイスのジュラ・ハウンドが祖先犬で、ドイツやオーストラリアの山岳地帯にいた中型ピンシャーとの交雑によって現在のダックスフンド(スムースヘアード)の基礎犬が作られたのではないかといわれています。アナグマ狩りに使うため、巣穴に入り込めるような体型になるよう選択交配することによってこのような体型が生まれました。のちにワイアーヘアのテリアが交配されたり、スパニエルが交配されたりと他犬種との交配の中で、ワイヤーヘアードやロングヘアードのダックスフンドが生まれることになったとされています。
ミニチュアダックスフンドは、19世紀頃にスタンダードダックスフンドが入れないような小さな穴にもぐって狩猟できるようにと選択交配されたことにより生まれました。現在でも、特徴的なアンバランスな胴長短足の体型が可愛いとして、狩猟犬としての激しい性格を持っているにもかかわらず、家庭犬としても世界で人気の犬種です。
日本では20~30年前はスタンダードダックスフンドが人気でしたが、現在では日本の住宅事情の関係で、小さなミニチュアダックスフンドやカニンヘンダックスフンドのほうが人気を得るようになっています。