スコティッシュストレート【Scottish Straight】

スコティッシュストレート/図鑑

原産国 スコットランド(イギリス)
公認団体 CFA ・TICA
毛種 短毛種 ・ 長毛種

特徴

丸い目と丸い顔にピンと立った三角形の耳が印象的です。体格はがっちりしていて丈夫、全体的に丸みを帯びていて柔らかな印象です。「人間のよう」「プッダのよう」と言われるような独特の座り方をすることがあり、「スコ座り」とも呼ばれます。
柔らかい被毛は、長毛と短毛の2種類があり、分厚く密生しているため絨毯のような手触りです。
折れ耳が特徴のスコティッシュフォールドとは、同じ猫をルーツに持つため、耳の違いを除けば特徴や性格に大きな違いはありません。生まれた時はスコティッシュストレートもスコティッシュフォールドもたち耳で、生後13日目から23日目にかけて折れ始めます。

性格

賢くて好奇心旺盛です。飼い主や家族に対しては愛情深く忠実で、共にいることを好みます。活発な面とおとなしい面がバランス良く共存していて飼いやすい猫種です。環境の変化に対する適応力があるので、子どもや他の動物との相性も良好です。鳴くことは多いですが、鳴き声が小さいのも特徴です。

毛色

毛色は、スコティッシュフォールド同様、体質の安定を目指し異種交配が進められたため、ソリッド(単色)だけでなく、タビー(縞模様)やキャリコ(三毛)などバリエーションが豊富で、すべての毛色が認められています。

育て方

あまり活発ではありませんが、遊ぶことは好きなので一緒に遊んであげると喜びます。
被毛は、密集していて毛の量も豊富なので、定期的なブラッシングやコーミングが必要です。短毛種であれば週1回、長毛種であれば週2~3回程度行うとよいでしょう。

気をつけたい病気

遺伝性骨軟骨異形成症は手足やしっぽの関節部の軟骨が瘤状に大きくなり、痛みが出て歩行困難となる病気です。スコティッシュフォールドに非常に多く見られますが、スコティッシュストレートもかかるリスクはあるので、床が滑らないようにしておくなど、普段の生活から注意をすることが大切です。
立ち耳は折れ耳と比べ通気性がよいため耳の病気にかかりにくいとされています。
太りやすいタイプと言われているので、肥満による病気にも注意が必要です。

歴史

歴史の浅い猫種で、1960年代にスコットランドの小さな農場で飼われていた猫が生んだ子猫の中に、耳の折れたネコがいました。「スージー」と名づけられたこの猫が生んだ子猫の中には折れ耳の子と立ち耳の子がいました。折れ耳の子はスコティッシュフォールドとなり、立ち耳の子がスコティッシュストレートとなりました。
その後この折れ耳は遺伝することがわかり、1966年イギリスの猫種血統登録団体であるGCCFに登録され、本格的な繁殖が行われることになりました。しかし、骨格や聴力の異常が続発するようになり、1971年イギリスでこの猫種の登録と繁殖を中止することになりました。
その後はアメリカへ輸出されて繁殖が続けられ、1970年代までにはアメリカンショートヘアやブリティッシュショートヘア、エキゾチックショートヘアなどとの交配を行うことで、遺伝性の病気の影響を小さくできると結論付けられました。1977年、スコティッシュストレートとスコティッシュフォールドは、アメリカでCFAに登録され、世界中で知られる大人気の猫となりました。

エキゾチックショートヘア【Exotic Shorthair】

エキゾチックショートヘア/図鑑

原産国 アメリカ
公認団体 CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF
毛種 短毛種

特徴

「短毛のペルシャ」と呼ばれるほど、被毛の長さ以外ペルシャによく似ています。筋肉質でずんぐりした体型で、丸くて大きい目、短くつぶれた鼻、丸い頭部、短い足が特徴的です。やや長めの短毛は艶やかで弾力性があります。

性格

ペルシャ同様、性格が穏やかで静かに過ごすことを好みますが、アメリカンショートヘアの影響でペルシャよりも活発で好奇心旺盛な一面もみせます。家族が好きで、甘えん坊ですが、依存心はそれほど強くありません。社交的なので他の猫や他のペットとも上手につきあうことができます。

毛色

毛色は、ホワイト、ブルーなどのソリッドカラー、各色のタビー(縞模様)やバイカラー、キャリコ(三毛)など、あらゆるパターンや毛色が見られます。

育て方

賢くしつけがしやすい猫です。
アメリカンショートヘアの影響で活発な面がありますが、体型的にペルシャを引き継いでいて運動能力は高くないので、特に活発な若猫のうちは事故が起きないように注意が必要です。
ペルシャ同様、太りやすい傾向がありますので、食事管理はしっかりと行いましょう。
短毛なので被毛の手入れは難しくありません。スキンシップのためにも定期的なブラッシングやコーミングを行ってください。

気をつけたい病気

ペルシャの好発疾患である多発性のう胞腎は、エキゾチックショートヘアでも起こりやすく、発症すれば治療法はありません。また、尿石ができやすい傾向があり、尿路閉鎖になると命にかかわります。日頃からよくお水を飲むように工夫し、おしっこの量や色によく注意してあげてください。
その他、流涙症、白内障などの眼病や、肥大型心筋症などの心臓病などが知られています。予防と早期発見のために日頃から健康管理を十分に行ってあげてください。

歴史

まだ歴史が浅く、固定の猫種として認定を受けてから50年ほどです。
1950年代、手間のかからない短毛種のペルシャを飼いたいという要望に応えてペルシャを基礎にアメリカンショートヘアと交配が行われました。なかなかうまく行かなかったのですが、アメリカの繁殖家ジェーン・マーティンは、この2種のあいだに生まれた短毛の子猫たちに注目して新しい猫種なるよう働きかけた結果、1966年アメリカのCFAに登録されました。当初は、スターリングという名前で、銀の毛色のみとされていましたが、他の毛色も生まれることからエキゾチックショートヘアという現在の名前に変更されました。
同じ時期のアメリカで、茶色い毛のペルシャを作るという目的で、キャロライン・バッセイという繁殖家が、ペルシャとバーミーズを交配させていました。この2種の間に生まれた子猫は、黒っぽい毛色ばかりで茶色のペルシャを作ることには失敗しましたが、その子猫たちの可愛らしさ魅了され、正当に新しい品種として登録したいと働きかけました。その際、バーミーズとペルシャから生まれた子にアメリカンショートヘアをかけあわせることをエキゾチックショートヘアの血統の条件とし、この考え方が広まっていきました。
まだ新しい猫種であるため、現在もまだ長毛の猫が生まれてしまうことがあります。この長毛の猫は、エキゾチックロングヘアとして認定している団体や、ペルシャとして認定する団体などさまざまで、それぞれ規定が異なっています。
日本では都心部を中心に猫ブームが始まった2010年前後から見られるようになりました。新種の猫などがSNSを中心に話題になり、エキゾチックショートヘアも注目を集めましたが、現在でもまだ国内での飼育頭数は少なく、繁殖家の数も限られています。コミカルな表情が写真映えするところから、TVコマーシャルやSNSでスター猫が生まれたりもしています。

ミヌエット【Minuet】

ミヌエット/図鑑

原産国 アメリカ
公認団体 TICA
毛種 短毛種・長毛種

特徴

マンチカンとペルシャ系の猫を交配して誕生したミックス種なので、それぞれの猫の魅力を持ち合わせた猫種です。マンチカンのような短い足が特徴的ですが、マンチカン同様、長い足のミヌエットも珍しくありません。体は筋肉質でがっしりとしていて、丸い頭に小さめの耳が離れ気味についていて、大きくて真ん丸な目をしています。ペルシャのように柔らかくふあふあした被毛はロングヘアとショートヘアがあります。

性格

ペルシャの優しさとマンチカンの好奇心旺盛さを合わせ持っています。遊ぶことが大好きなので飼い主といつも遊んでいたがります。人見知りすることもほとんどなく他人や他のペットにも友好的なので複数のペットを持つことも可能です。賢い性格であまり頑固でもないので、しつけし易く飼いやすい猫です。

毛色

ブラック系、ブラウン系、レッド系、ブルー系、シルバー系、クリーム系、ホワイト系などあらゆる毛色が認められています。また、ブラウン×ホワイトなどの2色や三毛猫色のキャリコなどもあります。

育て方

マンチカンの好奇心旺盛な性格を受け継いでいるので、よく動き回ります。特に子猫の頃は活発なのでキャットタワーなど運動ができる環境を整えて十分に動き回れるようにしてあげてください。
様々な飼育環境に順応できる猫種で、人や他のペットにも友好的なので子供のいる家庭やペットを複数飼育している家庭でも適応します。また単独で遊んでいることも出来るので一人暮らしなどで留守番が多くなる場合でも問題なく飼うことができます。
被毛は毛質が柔らかいダブルコートで、特に長毛の場合は毛がもつれやすいので、できれば毎日ブラッシングすると良いでしょう。

気をつけたい病気

基礎猫のペルシャは遺伝的な疾患が多い猫で、その影響を受けてしまう場合がありますので気をつけておきましょう。
あまり運動していないのに息苦しそうにしていたり、ぐったりしているようなら、肥大型心筋症や拡張型心筋症を疑ってください。のう胞腎は腎臓の中に無数の細かい水袋ができる病気で、水を飲む量が急激に増える、尿の量や回数が増える、元気がなくぐったりするといった様子が見られるようになります。いずれの場合もその兆候が見られたら、早めに病院を受診するようにしてください。
その他、角膜炎・流涙症などの眼病や肥満にも十分注意しましょう。

歴史

1995年アメリカで犬のブリーディングを行っていたジョセフ・スミス氏は、ウォール・ストリート・ジャーナル紙に掲載されていた「マンチカン」に関する記事を読み、長い足のマンチカンはスタンダードから外れるという理由で捨てられているという現実を知ります。問題意識を持ったスミス氏は、足が長いという理由で捨てられることがあってはならないと考え、自らの手で短足猫の固定化を試み始めました。まずはマンチカンとペルシャを交配し、生まれた子猫にヒマラヤンやエキゾチックショートヘアといったペルシャの遺伝子を持つ猫種を掛け合わせ、1996年ミヌエットが誕生しました。2001年TICAに予備登録されますが、その後スミス氏は思うように育種が進まず繁殖をあきらめてしまいます。しかし世界中のミヌエットブリーダーたちがスミス氏の意思を引継いで猫種の固定化に向けた研究と繁殖を進めました。2012年ようやく登録が認められ、キャットショーへの参加もできるようになりました。
当初は、フランスの英雄の名にちなんで「ナポレオン」と呼ばれていましたが、フランスの英雄の名を猫に付けることは不敬だと考える人々がいたため、2015年に名称変更となりました。

バーマン【Birman】

バーマン/図鑑

原産国 ビルマ(ミャンマー)
公認団体 CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF
毛種 長毛種

特徴

中型よりやや大きく、体型はロング&サブスタンシャルタイプで堂々としています。鼻筋が高いローマン・ノーズ(ローマ人の鼻)とサファイアのような濃いブルーの目が印象的です。被毛はセミロングでサラサラしています。最も特徴的なのは白い毛で被われている四肢の先で、前脚はグローブ、後ろ脚はレースと呼ばれています。声が低いという特徴も持っています。

性格

優しく穏やかな性格で安定しています。飼い主に忠実で献身的、甘えん坊なので家族から長い間離れることを好みません。他の猫や犬とも上手に接します。辛抱強い面もあるので子どもとも大変上手に付き合うことが出来ます。

毛色

色はシールブラウン、ブルーソリッド、シルバー、ライラック、チョコレート、クリーム、トーティなど多数が認められています。すべての毛色でポイントを持ちます。

育て方

飼い主や家族とのコミュニケーションを楽しみ、一緒に遊ぶことが大好きなので、おもちゃを使って一緒に遊んであげてください。明るく活発ですが成猫になると落ち着いてきます。
肥満になりやすい傾向があるので、年齢に合わせた食事管理が必要です。
セミロングですが、毛は絡まりにくく抜け毛も少ない方なので、お手入れはそれほど大変ではありません。週に2?3回はコーミングやブラッシングを行ってあげましょう。

気をつけたい病気

股関節形成不全症は、股関節の形が先天的に異常な状態をいい、生後半年頃から歩行時に腰が左右にゆれたり、後足をうまく折りたためないような症状が見られるようになります。
白内障は、水晶体が何らかの原因で白く濁ってしまう病気です。遺伝性のものはあまりなく、殆どが外傷や眼内の炎症などにより発症します。
肥大型心筋症は、心臓の筋肉が内側に向かって厚くなり、心室が狭くなることにより体に十分な血液を送ることが出来なくなる病気です。基本的には完治しない病気ですが、病気が進行しないようにお薬を使っていい状態を維持していくことになります。定期的な検査を行って、心臓の状態をチェックすることが大切です。
尿路結石症は、腎臓、尿管、膀胱、尿道のどこかに結石ができる病気です。頻繁にトイレへ行くのに少ししか出ないなどの様子が見られたら獣医師に診てもらってください。
慢性腎不全は腎臓の機能が徐々に低下し、機能不全に陥った状態のことです。中年齢から高年齢の猫に多い病気で、おもな初期症状は多飲多尿です。急性腎不全と違い徐々に進行していく病気で、一度発症すれば治ることはありません。治療は、その進行をできるだけ抑え、症状を緩和することが目的となります。

歴史

現在のミャンマーであるビルマ原産とされていますが、詳しいことはわかっていません。1920年頃にオスとメスのバーマン2頭がビルマからフランスに輸出され初めて欧米に渡りました。2頭うち、オスは輸送中に死亡してしまいましたが、メスは妊娠しており、フランスで1匹のバーマンを出産します。このメスと子猫が、最初の繁殖の基礎となったとされています。1926年にパリで開催されたキャットショーに登場、大変な人気を集めてフランスで1つの猫種として根付き、その後ヨーロッパ各地へ広がっていきました。
ミャンマーには、バーマンの基礎となった猫の神秘的な伝説が残っており、「ビルマの聖猫」と呼ばれています。

ペルシャ【Persian】

ペルシャ/ペット図鑑

原産国 イギリス
公認団体 CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF
毛種 長毛種

特徴

長くて艶やかな被毛が印象的で、気品にあふれています。顔の形はまん丸で、短くつぶれた鼻に、大きな丸い瞳は離れていて表情を可愛らしくみせています。体格は短胴で骨太、足は短めです。古くから高い人気を誇り「猫の王様」とも呼ばれます。

性格

温厚で従順な性格なので、しつけはしやすい猫ですが、自由気ままにくつろぐことを好むので、構われすぎるのを嫌がる傾向があります。足が短いこともあり、高い所に上がったり活発に体を動かすことがあまり得意ではありません。興奮したり大きな声で鳴いたるすることが少ないので集合住宅でも心配ありません。ひとりで過ごすのも苦にならない性格なので、頻繁に構ってあげられない人でも安心して飼うことができます。

毛色

毛色は多種多様で、全ての色が認められています。その色の豊富さから、ソリッド、シルバー&ゴールデン(チンチラ)、スモーク&シェーデッド、パーティーカラー、タビー、キャリコ&バイカラー、ヒマラヤンの7グループに分けられています。瞳の色も毛色によって変わります。
チンチラとヒマラヤンは特に人気があり、一つの品種のように扱われていますが、多くの猫協会では、ペルシャの毛色のバリエーションの一つという位置付けになっています。

育て方

長毛種の中でも特に被毛が厚くびっしりと生えているので、放置すると毛玉だらけになり皮膚炎や毛球症をおこしたりすることがあります。できるだけ毎日ブラッシングまたはコーミングをしてあげましょう。
運動量が少ないため、太りやすい傾向にあります。特徴である美しい毛並みを保つためにもバランスのよい食事は欠かせません。体質や特性に合ったフードを選びましょう。
運動を好む猫ではありませんがストレス解消や肥満防止のために毎日の遊びは大切です。猫じゃらしのようなおもちゃを使って、毎日短時間ずつでも遊びの時間を作ってあげると良いでしょう。
厚い被毛に覆われているため、夏の暑さに弱い猫種です。熱中症対策のため、夏場はクーラーを付けるなどして温度管理を行ってください。

気をつけたい病気

遺伝性疾患が多い猫種です。特に多発性のう胞腎は治療法のない病気で、両親のいずれかが発症していれば50%の確率で遺伝的に受け継がれていると言われています。
また肥大型心筋症にかかりやすいと言われています。この病気にかかると最悪の場合呼吸困難に陥る場合もありますが、定期的な検診で予防することが出来ます。
尿石ができやすい傾向があり、尿路閉鎖になると命にかかわりますので、ふだんからよくお水を飲むように工夫し、おしっこの量や色には日頃からよく注意してあげましょう。
他に流涙症などの眼病や、短頭種気道症候群などもかかりやすいと言われています。

歴史

猫の中で最も古い歴史を持つ猫種の一つとされています。起源については、トルコのターキッシュアンゴラから始まったという説や、現在の西ヨーロッパを起源とする説などがありますが、はっきりしたことはわかっていません。18世紀頃にはヨーロッパの貴族階級のペットとして愛好されていました。その後イギリスで開催されたキャットショーへの出陳や、19世紀アメリカへの輸出を経て、世界中に広まり人気の猫種となりました。
20世紀に入ると、より鼻が短くなることを目的にした選択交配がなされました。 伝統的な容貌のトラディショナルタイプに対して、極端に鼻ぺちゃなエクストリームタイプと呼ばれるペルシャが生み出されました。
後発の猫種を作り出す基礎になっており、ヒマラヤンやエキゾチックショートヘアは、ペルシャとほかの猫との掛け合わせにより生まれました。

コラット【Korat】

コラット/ペット図鑑

原産国 タイ
公認団体 CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF
毛種 短毛種

特徴

体型は筋肉質でがっちりとしたセミコビータイプです。コラット独特のハート型をした頭部と美しいグリーンの大きな目とブルーの被毛が特徴的です。被毛はアンダーコートがなく、体に密着したシングルコートで、完成するまでに平均して4年程かかります。

性格

大人しく静かな猫で、飼い主に対する忠誠心が高く甘えるのが大好きです。とても優しく我慢強い猫なので子供の相手をするのもうまく、他の猫やペットとも平和的に過ごせます。ただ、プライドが高く常に上位にたっていようする傾向があるので相性は大切です。束縛心が強いところがあるので、飼い主が構ってあげないといじけてしまうようなこともあります。よく鳴く猫なので集合住宅の場合は注意が必要です。

毛色

ブルーのみが認められています。1本1本の毛はシルバーのティッピングが入っており、光の加減によってキラキラと輝いて見えます。
ブルー以外にライラック色やポイントの入った毛色が生まれることがあり、ライラック色のコラットを「タイ・ライラック」、ポイントカラーのコラットを「タイ・ポインテド」として独立させようとする動きもあります。

育て方

短毛のシングルコートなのでお手入れは難しくありません。ブラッシングは1週間で1回を目安に定期的に行ってください。
若猫時代まではとても活発で、精神的に落ち着いてくるのに4年程かかると言われています。それまでは多くの運動と遊びが必要なので、十分に運動できるスペースやキャットタワーなどを用意し、1日1時間は一緒に遊んであげると良いでしょう。
食欲旺盛なので肥満にならないよう食事管理が大切です。

気をつけたい病気

比較的頑健な猫ですが、膀胱炎や尿結石、高齢になると腎不全などには注意が必要です。GM1またはGM2と呼ばれる神経と筋肉が侵される遺伝子疾患を発現してしまうケースがあります。発症すると1歳3ヶ月までに死亡してしまう恐ろしい病気です。血統の中にこの病気を持つコラットがいないか、ブリーダーへ確認することが必要です。
プライドが高く精神的に弱い面があるのでストレス性の脱毛を起こすことがあります。スキンシップを心がけたり、長時間の留守番をさけるなど寂しい思いをしないよう気を付けてあげてください。

歴史

タイ王国の北東部にあるコラット地方で自然発生した猫種です。アユタヤ王朝の時代(西暦1350~1767年)に書かれた文献「cat book poems」などにも登場し、幸福と繁栄をもたらす猫として大切にされてきました。現代のタイでも、縁起の良い猫として結婚のお祝いに贈られるなど贈呈用として扱われ、売買が禁止されていた時期もあったほどでした。
1800年代の後半にイギリスのキャットショーに登場しましたが、その時はシャムのカラーバラエティとして紹介されました。1959年にアメリカ人のジーン・ジョンソンが自国に持ち帰って繁殖を開始し、1966年にCFAに公認されました。イギリスでは1975年にGCCFに公認されています。
同じ銀灰色の毛色を持つシャルトリュー、ロシアンブルーと並び、ブルー御三家と称されています。

スノーシュー【Snowshoe】

スノーシュー/ペット図鑑

原産国 アメリカ
公認団体 TICA ・ FIFe ・ GCCF
毛種 短毛種

特徴

最大の特徴はその名の通り白い靴を履いたような手足をしていることですが、これは劣性遺伝によるものなので、すべての子猫に白い手足の模様が出現するわけではありません。顔の模様も特徴的で、口の周りが白く、目の周りはマスクをかぶったような模様になっています。体はセミフォーリンタイプで、筋肉が発達していて引き締まっています。頭は丸いタイプがほとんどですが、シャム猫を血統に持っている影響で逆三角形の形の頭をした子が生まれることがあります。

性格

明るく活発で、賢く学習もできるので、しつけはしやすい猫です。飼い主に対しては愛情深く甘えん坊なので、常にかまってもらいたがります。また寂しがり屋なので留守番は苦手です。大らかな性格で他猫とも仲良くできるので多頭飼いに向いています。

毛色

白い靴を履いたような手足の模様が特徴的ですが、生まれた時は全身が真っ白な毛で覆われていて数週間かけて徐々に色付きます。生後半年以内に模様が出現しなければ生涯現れないと考えられます。
毛色はライラック、ブルー、チョコレート、シール・ポイントなど幅広くありますが、明るめの毛色は白い四脚が強調されなくなるため、あまり一般的ではありません。

育て方

活発で運動神経も抜群なのでキャットタワーなどを設置して自由に動き回れるような工夫をしてあげてください。
短毛なので被毛の手入れは難しくありません。週に1回程度ブラッシングをしてあげましょう。
とても甘えん坊なので、おもちゃで遊んであげるなど出来るだけ一緒に過ごす時間を作ってあげてください。ストレスをためてしまうと反抗的になることもあります。

気をつけたい病気

ミックス種なので比較的病気にかかりにくい丈夫な猫種ですが、シャム猫が元になっているので同様の遺伝性疾患が起こることがあります。また歯周病になりやすい傾向があるので、定期的にお口の中のお手入れをすると良いでしょう。ほかに尿路結石、膀胱炎、腎臓病などに注意が必要です。ヘルニアにもなりやすいので、肥満にならないよう気を付け、しっかり運動させてあげることが大切です。

歴史

1960年代、米国ペンシルバニア州・フィラデルフィアでシャムの繁殖をしていたブリーダー、ドロシー・ドーハーティは、生まれたシャムの子猫の中に白い靴を履いたような手足の子猫を3頭見つけました。この毛色が気に入り、この子猫とアメリカンショートヘアを交配させ、育種を始め、祖先となる猫が誕生しました。ドーハーティは、地元のキャットショーなどにエントリーしてこの猫を紹介しましたが、シャムを交配させただけの猫だとなかなか認定をもらえず、結局品種の確立を諦めてしまいます。 その後、ヴィッキー・オランドーが交配を引き継ぎ、品種の確立に尽力、1980年代になりTICAに正式な猫種として認定されました。白い靴を履いたような手足の模様は劣性遺伝によって現れるものなので、同じような模様をもつ個体を増やすのは簡単なことではなく、猫種として定着するまでに20年もの歳月がかかりました。

アメリカンカール【American Curl】

アメリカンカール/ペット図鑑

原産国 アメリカ
公認団体 CFA ・ TICA ・ FIFe
毛種 短毛種・長毛種

特徴

名前の由来にもなっている反り返った耳が特徴的です。生まれた時は皆まっすぐな耳で、生後1週間程度で後方にカールし始め、生後3~4カ月程度で滑らかなアーチを描いた反り耳になります。この耳は優性遺伝で、約50%の確率でカールしない耳の個体も生まれます。
体は筋肉質なセミフォーリンで、尾は長く頭部は丸みを帯びたくさび型です。大きな目はクルミ形でとても印象的です。被毛はロングコートとショートコートがありますが、どちらも豊かな毛量で、シルクのようになめらかな手触りです。

性格

とても賢くて好奇心が強く、元気で明るい性格です。家族に対する愛情が深いので、そばにいたがります。逆に、ひとりでいることがストレスになるので留守が多い家庭には向きません。人懐っこいので他人でも比較的スムーズに仲良くなれます。猫の中では珍しくテリトリー意識が低いため多頭飼いでもトラブルが少ない猫種です。

毛色

全ての毛色が存在し認められています。ブラウン、レッド、ホワイト、ブラックなどの色が人気です。

育て方

人懐っこく飼い主と遊ぶことが大好きなので、毎日少しの時間でも一緒におもちゃで遊んであげると良いでしょう。
外巻きの耳は軟骨が変形したものなので、耳掃除をする時など耳に触る際には、けがをしないように丁寧に行ってください。
被毛の手入れはロングコート・ショートコートどちらも比較的楽です。週に何度かしっかりブラッシングもしくはコーミングをしてあげましょう。

気をつけたい病気

純血種の中では、病気が少なく丈夫だといわれています。
毛量が豊富なため、換毛期やブラッシング不足の時などにグルーミングで飲み込んだ毛量が多くなってしまうと、毛球症になることがあります。日頃から定期的にブラッシングやシャンプーなどでケアしてあげてください。
耳の形が特徴的なので外耳炎になりやすい傾向があります。自分で耳を引っ掻いたり耳掃除をしすぎたりすることが原因になる場合があります。耳垢の色がおかしいとか耳から変なニオイがするなどの変化があった時はかかりつけ医に相談してください。

歴史

猫の品種の中ではもっとも歴史が浅く、1981年6月カリフォルニア州レイクウッドに住むルーガ夫妻が繁殖の基礎となった猫を発見したことから始まります。夫妻は自宅玄関前で黒い長毛で反り返った耳をした猫を見つけ、シュラミスと名付けて飼い始めたのでした。その猫は4頭の子猫を出産、そのうちの2頭は母親であるシュラミスと同じ反り返った耳を持っていました。この出産により、耳の形は遺伝するものだと考えられるようになったのです。その後、猫の遺伝学を研究していたイギリスの学者であるロイ・ロビンソンが繁殖家と協力して調査と分析を行い、反り返った耳が優性遺伝子であることや、耳の遺伝子には遺伝性疾患を伴っていないということが確認されました。
1983年から猫愛好家や繁殖家によって新しい品種としての改良・固定が始まり、その後新しい品種として各団体に認められました。

ソマリ【Somali】

ソマリ/ペット図鑑

原産国 イギリス
公認団体 CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF
毛種 長毛種

特徴

アビシニアンの長毛種で、毛の長さが違うだけで他の特徴は同じです。
丸みのあるクサビ形の顔とアーモンド形の大きな目を持ち、体は筋肉質のフォーリンタイプです。美しい長毛は柔らかく絹のようで、長い尾はキツネの尾のようにフサフサした毛で覆われているため「キツネのような猫」と表現されることもあります。また美しい鳴き声は「鈴を転がしたような声」と言われています。

性格

アビシニアン同様、甘えん坊で人と触れ合うことが大好きです。好奇心旺盛で活発に動き回ります。賢く洞察力があり、犬のようだと言う人もいるくらいコミュニケーション能力が高いので、しつけがしやすい猫種です。他人に対しては人見知りをしやすい傾向があります。また、神経質なため環境の変化に対しては敏感で、騒音を苦手な子が多くみられます。

毛色

代表的な毛色は、ルディー、フォーン、ブルー、レッド(ソレル)の4種です。アビシニアン同様ティックドタビーで、光の加減で色味が違って見えるのが特徴です。

育て方

長毛種のダブルコートですが、さほど長くないのでお手入れは比較的楽です。美しさを保つために、1日に1度はブラッシングとコーミングをしてあげてください。
運動神経が高く好奇心旺盛で活発に動き回るので、キャットタワーを設置するなど十分に運動できるスペースを作ってあげましょう。
用心深い面があるので知らない人や大きな音に驚いたり、留守番などで寂しさなどを感じてしまうとストレスを溜めてしまうことがあります。安心できる落ち着いた環境を準備し、たくさん遊んであげるよう心掛けてください。
水を怖がらないので、特に子猫の頃はお風呂場に行かせるのは大変危険です。浴槽に水を溜めておかないなど危険防止を徹底してください。

気をつけたい病気

重症筋無力症は、発症数は少ないですがアビシニアン同様比較的危険性が高いと言われています。
ピルビン酸キナーゼ欠損症や進行性網膜萎縮なども気を付けたい病気です。遺伝性の病気なので予防はできませんが、遺伝子検査をすることができます。できれば親の遺伝子検査について確認しておくと良いでしょう。
尿石症は猫全体に多い病気なので、肥満にならないように食事に注意したり、新鮮な水をいつでも飲めるようにしてあげるなど、日頃から予防を心掛けてください。

歴史

アビシニアンの長毛種です。アビシニアンは最も古い猫種の一つで純血種として繁殖され、キャットショーにも出陳されてきた猫種で、1930年頃にはアメリカや世界中の国々でも繁殖されるようになり、たくさんの人に愛される猫種となりました。その過程で突然変異により時折長毛種の子が生まれ、ロングヘアード・アビシニアンと呼ばれていました。しかし血種を守るブリーダーの間では良いものとされていませんでした。
1963年、カナダのブリーダーのメアリー・メイリングが地元のペットショーに初めてロングヘアード・アビシニアンをエントリーしました。その時キャットショーの審査員をしていたケン・マックギルはこの猫の魅力に驚き、メアリーから一匹もらいうけて計画繁殖を始めます。こうして本格的にアビシニアンとは別品種として認められるための活動が始まりました。このケンが育てた「Mayling Tutsuta」という名の猫がソマリとしての最初の公式記録と言うことになっています。
1978年には、独立種としてソマリが誕生しました。名前の由来はアビシニアンの名前の由来となったアビシニア(現エチオピア)の隣国ソマリアからきていますが、血統とソマリアとは直接関係はありません。

ジャパニーズボブテイル【Japanese Bobtail】

ジャパニーズボブテイル/ペット図鑑

原産国 日本
公認団体 CFA ・ TICA ・ FIFe
毛種 短毛種・長毛種

特徴

胴体・四肢とも筋肉質で、体型はすらりとしていてエレガントです。頭部はほぼ正三角形で、直立した耳は大きく離れ気味で、鼻筋は通っています。一番の特徴は、短くボンボンのような形のしっぽで、これは劣性遺伝によるものです。口元にあるウィスカーブレイクといわれるくぼみも特徴的です。被毛は短毛と長毛があり、どちらも柔らかくて絹のようです。

性格

日本猫ならではの優しく温和な性格を持ち、賢くて活発です。人と一緒にいるのが大好きですが、ベタベタと甘えてくることは少ないようです。物わかりが良く、とても社交的なので他の猫とも仲良く過ごすことが出来るため多頭飼いに向いています。

毛色

さまざまな被毛のパターンがありますが、 最も一般的で人気なのはキャリコ&バイカラーで、赤茶色、黒色、白色の3色です。日本では三毛猫と呼ばれていますが、アメリカではそのままミケで通じます。

育て方

太りやすい傾向があるので、スリムな身体を保つためには運動と食事管理は必須です。しっかりと運動できるようキャットタワーを用意したり、興味を持ちそうなおもちゃを用意したりするといいでしょう。人と遊ぶことが大好きなので、一緒にたくさん遊んであげてください。
賢く物わかりがいいので、しつけはしやすい猫です。
被毛はダブルコートですが、抜け毛が少ないので週に2回くらいのブラッシングで大丈夫です。ただし、長毛種の場合は毎日のブラッシングとコーミングが必要です。

気をつけたい病気

多様な遺伝子を持っているため基本的には健康な猫種ですが、遺伝性の脊柱や骨の異常がみられることがあります。ブリーダーに親などに病気はないかを確認して、もし病気がある場合は、定期的に健康診断を行うようにしてください。早期発見、早期治療が大切です。
猫が一般的にかかりやすいといわれている病気には注意が必要です。腎臓病もその一つで、日頃から飲水量、排尿の状態をチェックし、飲水量が増えたり尿量が増してきたといった症状が見られた場合は、早めに動物病院へ連れて行きましょう。

歴史

起源についてはっきりわかっていませんが、1000年以上前に中国から日本に入って来た猫だと言われています。仏教などの書物や飼育されていた蚕をネズミから守るために重宝されていたようです。江戸時代になると浮世絵などにも描かれていました。
1968年にアメリカ人ブリーダーが、短い尻尾の日本猫を3匹持ち帰って繁殖を開始しました。その後100匹以上がアメリカへ渡り、繁殖計画が進められ、1976年に、CFAに正式に猫種として認められました。海外では見慣れない短い尻尾が魅力的なので、現在はアメリカだけでなく、世界中で広くかわいがられています。
日本では昔から幸運のシンボルとして人気があり、招き猫のモデルはジャパニーズボブテイルであると言われています。