狆【Chin】
原産国 | 日本 |
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体重 | 3kg前後 |
体高 | 25cm前後 |
グルーブ | 9G |
特徴
マズルがきわめて短く、独特の表情をしています。スクエアな体型に短い足、前方に垂れた耳、フサフサした羽のような尻尾が特徴です。絹のようにしなやかでツヤのある豊かな被毛に覆われ、優美で気品に富んだ容姿をしています。
性格
おとなしく愛らしい性格で、飼い主に対しても愛情深く甘えん坊です。賢く社会性や協調性があるので誰とでも仲良くできます。高いところに登り見下ろすことが好きなほか、顔を洗うような仕草をするなど、猫のような性質を持っています。
毛色
毛色は白をベースに黒か赤の斑が入ります。顔の斑は、目の周囲から耳全体にかけて左右対称にあるのが好ましいとされています。
育て方
小型犬なので、散歩は1日20~30分程度で十分です。飼い主と遊ぶのが大好きなので室内での遊びを取り入れると良いでしょう。
人懐こく従順な性格ですが、プライドが高い面もあるので、しつけは根気よく教えていくことが大切です。
被毛は、抜け毛が少ないので週に2,3回のブラッシングで大丈夫です。長くきめ細かい絹糸状なので、丁寧に行うようにください。
温度変化に弱い犬種なので、冷暖房などを使って快適な室温に調節してあげてください。
気をつけたい病気
小型犬に多くみられる肘・膝の脱臼、股関節形成不全のほか、乾性角結膜炎、眼瞼内反症、白内障などの目の病気、僧帽弁閉鎖不全などの心臓の病気にかかりやすいと言われています。多くは遺伝性疾患なので、あらかじめ検査によりチェックすることができます。
歴史
祖先犬はチベタンマスティフであろうと考えられています。日本に入ってきた時期については、奈良時代の西暦730年に新羅(現在の韓国)から聖武天皇へ献上され、その後遣唐使によって中国からも入って来たという説など諸説あり、はっきりしたことはわかっていません。江戸時代には、生類憐みの令で名高い徳川五代将軍綱吉によって愛玩犬として飼育され、その生活が贅沢三昧だったことから「座敷犬」という言葉が生まれたと言われています。
1853年にペリー提督がアメリカに持ち帰り、当時のフランクリン大統領やペリーの娘など上流階級の愛犬として飼育されました。また、フランクリン大統領からイギリスのビクトリア女王に献上されたという記録が残っていることから、イギリスにもこの時代に上陸したと考えられています。
日本では、第二次世界大戦などにより固有種が激減してしまったため、イギリス人やフランス人によって改良された狆を逆輸入し、交配を加えて改良され現在に至ります。明治以降、上流社会の女性の抱き犬として愛され続けて、改良国産犬種として日本で最初の世界公認犬種となりました。
犬名の由来は、「ちいさいいぬ」という言葉が省略されたものと言われています。海外ではジャパニーズチンと呼ばれています。