チンチラペルシャ【Chinchilla Persian】

チンチラペルシャ/ペット図鑑

原産国 イギリス
公認団体 CFA・TICA
毛種 長毛種

特徴

人気の猫で、一つの猫種のように扱われていますが、多くの猫協会ではペルシャの毛色のバリエーションの一つという位置付けになっています。
特徴はペルシャと殆ど同じで、長くて艶やかな被毛が印象的ですが、毛質はペルシャよりやや軽いとされています。目の色が緑または青系統で、ペルシャよりアイラインがより強くくっきりと描かれています。

性格

上品で落ち着いた性格です。ペルシャと同様に自由気ままにくつろぐことを好むので構われすぎるのを嫌がる傾向があります。大人しい性格で、活発に運動するよりはリラックスして過ごすことを好むので、成猫になると遊ぶことは少なくなります。

毛色

主な毛色はシルバー、ゴールデン、ブルー、ブルーゴールデンの4種類です。ペルシャよりも明るい色合いが特徴で、日本で最も広く認知された毛色といわれています。

育て方

ペルシャより毛質が軽いと言われていますが、長毛で被毛が厚いのは同じなので、毎日ブラッシングまたはコーミングをしてあげてください。
ペルシャ同様、成猫になると運動不足になり太りやすい傾向がありますので、きちんと食事管理をしてあげてください。

気をつけたい病気

遺伝性疾患が多い猫種で、特に多発性のう胞腎は治療法のない病気で、両親のいずれかが発症していれば50%の確率で遺伝的に受け継がれていると言われています。
また肥大型心筋症にかかりやすいと言われています。この病気にかかると最悪の場合呼吸困難に陥る場合もありますが、定期的な検診で予防することが出来ます。
尿石ができやすい傾向があり、尿路閉鎖になると命にかかわりますので、ふだんからよくお水を飲むように工夫し、おしっこの量や色には日頃からよく注意してあげましょう。
他に流涙症などの眼病や、短頭種気道症候群などもかかりやすいと言われています。

歴史

ペルシャは最古の猫種と言われるほど古くから存在する猫です。その起源は諸説ありますが、はっきりしたことはわかっていません。1800年代にイギリスで計画的に繁殖され、ロンドンで開かれた世界初の公式なキャットショーに登場、以来人気の猫種となり「猫の王様」と呼ばれています。
ペルシャのさまざまなカラーバリエーションが作られていく中で、1882年に交配したペルシャの中に、毛の根元のみがシルバー、大半がベースカラーの黒という毛色(シルバースモーク)のオスができました。この猫がチンチラペルシャの基となったと言われています。
1900年代初頭には現在と同じような毛色となり、1920年代にはチンチラペルシャの基準が確立されました。
シルバースモークのペルシャは世界中で大人気となり、特にアメリカでは血統登録をチンチラペルシャとし、ペルシャ猫から独立させようという動きもありました。しかし、毛並み以外何も変わらないため、現在多くの猫協会では、ペルシャの毛色のバリエーションの一つという位置付けになっています。
名前のチンチラは、げっ歯類のチンチラと毛色が似ていることに由来しています。

ラガマフィン【Ragamuffin】

ラガマフィン/ペット図鑑

原産国 アメリカ
公認団体 CFA ・ GCCF
毛種 長毛種

特徴

大きな体に筋肉質のしっかりした体を持ち、やや釣りあがったクルミ形の大きな瞳や短めのマズルなど全体的に丸みを帯びています。被毛は絹のような手触りですがしっかりとした毛質なので、長さはあっても毛玉になりくいという特徴があります。
ラグドールから派生した長毛猫なので、見た目や性格はラグドールに似ているといわれています。

性格

ラグドール同様、温和でおとなしく優しい性格です。人なつっこく甘えん坊なので人のそばにいたり、抱っこされるのが大好きです。一方、好奇心旺盛で遊び好きな一面も持ち合わせています。非常に愛情深くフレンドリーなので子供とも仲良くでき、とても飼いやすい猫種です。

毛色

ラグドールは毛色がポインテッドのみに限定されていますが、ラガマフィンは遺伝学的に発生するすべての毛色が認められています。

育て方

体が大きいので成猫として完成するまで3~4年はかかります。しっかりした体を作るためにバランスの良い食事を与えるようにしましょう。
人懐っこく遊びが大好きなので一緒にいる時間を積極的に作って、おもちゃなどを使ってたくさん遊んであげてください。賢く扱いやすいためしつけは難しくありません。
長毛種ですが、もつれにくい毛質なので割とスムーズにブラッシングできます。普段は週に2~3回のブラッシングでよいですが、換毛期はまめにブラッシングやシャンプーをしてあげてください。

気をつけたい病気

肥大型心筋症は疲れやすくなったり呼吸が早くなったり苦しくなったりする症状が見られます。薬によって病気の進行を遅らせることができますので、早期発見のためにも定期健診が大切です。
多発性のう胞腎は遺伝性の腎臓の病気で、一度発病すると完治することはないので注意が必要です。初期症状がないので定期的な健診での早期発見が重要です。
尿結石は尿管に結石ができる病気で、尿の回数が多いのに尿量が少ないような場合は病院で診察を受けるようにしましょう。予防法はできるだけ水分をとらせることです。
毛球症は毛づくろいの際に毛を飲み込んでしまい、消化器官に毛が溜まってしまう病気です。定期的なブラッシングやコーミングで予防することができるので、定期的に欠かさず行ってください。

歴史

直系祖先はラグドールです。1960年代にアメリカ・カリフォルニア州に住むペルシャのブリーダー、アン・ベイカーが、ホワイトのペルシャとシールポイントのバーマンを交配させ、次にその生れた猫にセーブルのバーミーズを交配させてラグドールを誕生させました。アン・ベーカーは既存の猫血統登録団体には登録せず、IRCAという新しい組織を設立し、「IRCA登録のブリーダーしかラグドールという名を使うことができない」という形で商売を始めました。
そのやり方に反対したブリーダーたちが1994年にIRCAから独立し、ラグドールと同じ血統の猫を使って新たなラガマフィンを生み出しました。21世紀初めには一部の猫種登録団体で認定されましたが、主要な猫種登録団体でもラグドールと似すぎているという理由で公認していないところがあります。

ノルウェージャンフォレストキャット【Norwegian Forest Cat】

ノルウェージャンフォレストキャット/ペット図鑑

原産国 ノルウェー
公認団体 CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF
毛種 長毛種

特徴

大きな体で野性味があり、堂々としていて気品があります。筋肉質な体つきで骨格もがっしりとしています。頭部は三角形で鼻筋はまっすぐ通っていて、目は大きくアーモンド形です。美しい長毛にふさふさした長い尾が印象的です。

性格

とても温厚で優しい性格ですが、機敏で遊ぶのも大好きです。子どもや他猫に対してもフレンドリーで順応性があります。頑丈な体に見合った忍耐強さや賢さ、勇敢さも備えています。水を楽しむ数少ない猫種の一つです。

毛色

大きく分類すると「黒系」「白系」「茶色系」「青系」「赤系」の5種類に分かれ、その被毛の模様もさまざまです。ブラウンタビー&ホワイトやオレンジタビー&ホワイトなどのバイカラーが一般的です。

育て方

成猫として完成するまでに3~5年かかる猫種なので、しっかりした骨格と筋肉、美しい被毛を作るために良質な食事を与えることが大切です。
長毛なので週に3?4回はブラッシングが必要です。換毛期は特に頻繁にブラッシングをして、抜け毛を取り除いてください。また、被毛は皮脂に薄く覆われているので、毛を美しく保つために定期的をしてあげましょう。
高い所に上るのも得意ですが、体が大きいので、キャットタワーは丈夫なものを選んで固定したり、家具の上を片付けたりするなど、安全に配慮してあげてください。

気をつけたい病気

純血種のわりに遺伝性の病気が少なく、比較的丈夫な猫種です。
かかりやすい病気としては、猫に多い心臓病の肥大型心筋症や、肥満による糖尿病があります。太りやすい傾向がある猫種なので、特に食事やおやつのあげすぎには注意が必要です。
被毛のお手入れを怠ると、皮膚疾患や毛球症になってしまうので注意が必要です。

歴史

祖先は、南ヨーロッパに住んでいた短毛の猫skogkatt(スコグカット)であるなど、いろいろな説がありますが、はっきりしたことはわかっていません。北欧の神話に登場するほどノルウェーに古くから生息し、厳しい寒さの中で生き残り、交配が繰り返される中で、長毛でやや大きめの猫になりました。長い歴史の中で人間の生活に近づき、ネズミ退治のために農場や船の上などで飼育されていました。ノルウェーでは昔から「森林の猫」と呼ばれ、人々から愛されてきました。
1930年代になって、国を代表する猫として血統の保存と管理が始まりました。しかし第二次世界大戦が始まると活動が中断され、その数は大きく減ってしまいます。1970年代に入り活動が再開されブリーダーや愛好家による繁殖が進み、1975年にノルウェージャン・フォレスト・キャットクラブが設立されました。
1979年に初めてアメリカへ渡り、1984年正式に品種として認められ、世界的に知られるようになりました。

シャム【Siamese】

シャム/ペット図鑑

原産国 タイ
公認団体 CFA・TICA・FIFe・GCCF
毛種 短毛種

特徴

クサビ形の頭部に大きな耳が印象的です。体型はオリエンタルタイプで、手足やしっぽは細長くしなやかなで、エレガントな姿をしています。ポイントカラーと深いブルーの瞳が最大の特徴です。

性格

警戒心が強く、わがままで気難しい面もありますが、心を許した相手に対しては忠誠心を見せます。飼い主に対しても愛情深く甘えん坊で触れ合うことが大好きです。運動量も多く飼い主に沢山遊んでもらうのも大好きです。いたずら好きな子が多く、しつけはとても難しく根気が必要です。

毛色

体の中心部分がホワイト系の色で、他の末端部分にポイントカラーが入ります。代表的なカラーはブルー、シール、ライラック、チョコレートです。ほぼ真っ白な体で生まれてきますが成長に従ってポイントが出てきます。年々色合いは濃くなり、10歳を過ぎるとさらに黒くなる傾向があります。

育て方

運動量が多く活発なので、キャットタワーなどを設置して広く動き回れる環境を準備してあげてください。甘えん坊な性格なので猫じゃらしなどを使って沢山遊んであげると良いでしょう。
被毛は短いのでお手入れは楽ですが、寒さに弱いので冬場は室温の管理が必要です。
甘えん坊ですが気難しくわがままな面があるので、上手に付き合いながら根気よくしつけをすることが大切です。

気をつけたい病気

病気にかかりやすい猫種といわれています。特に、眼球振盪、角膜黒色壊死症、進行性網膜萎縮症、進行性網膜変性症などの目の病気と、慢性腎不全などの腎臓の病気が多く、早期発見・早期治療が大切です。また、親猫からの遺伝性の病気もありますので飼い始める前に調べておくと良いでしょう。

歴史

シャムという名前はタイ国の古い国名ですが、こう呼ぶのは日本だけで、海外ではサイアミーズ(Siamese)と呼ばれています。
何世紀もの間、シャムの寺院で飼われ門外不出でしたが、シャムの王家が特別な贈り物として王家の賓客に進呈するようになって、世界に知られるようになりました。1878年バンコクに赴任していたアメリカ領事から当時のアメリカ大統領ヘイズに贈られたものが最初とされています。さらに1884年にイギリスの総領事に寄贈され、イギリスのキャットショーに登場し、またたく間に人気となりました。イギリスでは繁殖も始まり、海外へと輸出されるようになりました。しかし二つの世界大戦の時代になると食糧難などから絶滅の危機に瀕し、その上ペルシャなど他の猫が人気になるにつれて、シャムの人気は下火になっていきました。戦後になって皇族の格式高い猫として愛猫家によって大切に飼育され、個体数を増やしていきました。その美しさから現在でも世界中の人に愛されている猫種です。
日本には明治の中ごろに初めて輸入され、純血猫の代表的な猫種としてよく知られています。

サイベリアン【Siberian】

サイベリアン/ペット図鑑

原産国 ロシア
公認団体 CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF
毛種 長毛種

特徴

大型で骨太、筋肉がよく発達していて力強い印象です。身のこなしがとても速く跳躍力も抜群です。頭部は丸みを帯びていて、とても優しい表情をしています。
被毛は質感の違う3種類の毛のトリプルコートで特徴的です。極寒に耐えられるよう、房毛と呼ばれる毛が足の裏に生えています。
成長スピードが遅く、成猫になるまでには5年ほどかかるといわれています。

性格

穏やかで忍耐強く独立心のある猫です。家族に対しては従順で愛情深いですが、仲間と認めない相手に対しては冷淡な面があります。非常に賢いので飼い主とのコミュニケーションも上手で芸を覚えたりすることもあります。水を嫌がらず、ネズミ捕りの優秀なハンターとしての側面ありますので、水の中であっても飛び込んでいくこともあるようです。

毛色

すべてのパターンや毛色が認められています。ブラウン系のタビーが多いようです。

育て方

大型の猫としてはめずらしく運動能力が高く跳躍力もあるので、キャットタワーは足場を固定するなど、安全に使用できるようしっかりと設置してください。水を嫌がらない性質なので、危険防止のために風呂や洗濯機のふたは常にしっかりと閉めておきましょう。
とても賢いので、しつけは楽です。
長毛なので毎日のブラッシングは欠かせません。特に換毛期は、普段よりこまめにお手入れしてあげてください。独特な被毛の性質からか、猫アレルギーがあっても飼える猫という研究結果があるようですが、科学的な根拠は十分ではありません。アレルギーのある方は、他の猫種と同様、家族として迎える前に慎重に検討して下さい。

気をつけたい病気

ピルビン酸キナーゼ欠損症や子宮蓄膿症など、かかりやすい病気があります。いざというときに焦ることがないよう、あらかじめ病気に関する知識を持ち、日頃から変化に注意してあげるようにしてください。
ピルビン酸キナーゼ欠損症は、貧血を引き起こす病気です。通常赤血球の中のピルビン酸キナーゼという酵素が、なんらかの事情により正常でなくなり、エネルギーの生産ができなくなってしまい、最終的には貧血症状が発生してしまうものです。
子宮蓄膿症は、メスでだけに発症する病気で、なんらかの原因によって、子宮の中に病原体が入り込んでしまい、炎症を起こした結果、膿が溜まってしまう病気です。

歴史

サイベリアンのルーツや起源について詳しいことは分かっていませんが、西暦1000年頃にはシベリアの森に生息していたと考えられています。サイベリアンという品種名はシベリアを意味し、サイベリアンフォレストキャット(シベリアの森に生息する猫)とも呼ばれていました。極寒にも強く身体能力も高いことから、古くから修道院や農家などでネズミ捕りとして飼われていたようです。
1871年にイギリスで行われた初めてのキャットショーに登場しますが、当時ロシアとは自由に貿易できなかった国が多かったため、入手が困難な猫とされていました。ロシアとの冷戦時代であったアメリカに輸出されたのは1990年になってからで、その後は政治的な雪解けとともに、世界各国に輸出されるようになりました。
2012年ロシアのプーチン大統領が当時の秋田県知事にミール(ロシア語で平和)という名前のサイベリアンを贈ったことで、日本でも広く知られるようになりました。
ロシアではゴルバチョフやメドベージェフなどの歴代大統領や政府要人に飼われていた猫として知られており、ロシアを代表する猫として現在でも国際交流のシンボルになっています。

シンガプーラ【Singapura】

シンガプーラ/ペット図鑑

原産国 シンガポール
公認団体 CFA ・ TICA ・ GCCF
毛種 短毛種

特徴

アイラインをひいたようなアーモンド形の目と個性的な目の色が印象的です。通常生後2か月まではキントブルーと呼ばれる青い色ですが、以降さまざまな色に変化し、成猫になるとグリーン、ヘーゼル、イエローなどに定着していきます。
体は筋肉質でしっかりとしていて、丸い頭の両端には付け根の広い耳がついています。被毛はとても美しく絹のようになめらかです。
標準体重は2~3㎏で、現存する純血種の猫としては世界一小さい猫であることから「小さな妖精」とも呼ばれています。

性格

大人しい性格でほとんど鳴くこともなく静かな環境を好みます。飼い主や家族に対する愛情が深く、とても甘えん坊なのでそばにいたがり、膝や肩に乗ったりすることも多くみられます。神経が過敏な面があり、他猫や他動物に対して嫉妬することもあるので複数飼いには向かない猫種です。
高い運動能力を持ち、活発で遊び好きなので、飼い主さんとのおもちゃ遊びが大好きです。

毛色

毛色は淡い茶色のセーブル・ティックド・タビーのみが認められています。ティッキングは1本の毛に濃い色と薄い色が交互に入っていることで、根元が薄く、先端が濃くなっています。

育て方

甘えん坊で好奇心旺盛、活発な面もあるので、一緒にいる時間を積極的に作って、たくさん遊んであげてください。また、高いところに上るのも好きなので、キャットタワーを設置したりタンスや棚をうまく配置して高いところに行けるようにしてあげるとよいでしょう。
被毛のお手入れは、短毛なので定期的にブラッシングやコーミングをしてあげれば十分です。東南アジアの温かい地域で生まれた短毛の猫ですので日本の冬の寒さは苦手です。秋から冬は高めに室温調節をしてあげてください。
賢いのでしつけはそれほど難しくありません。

気をつけたい病気

この猫種は近年遺伝子研究によって、遺伝性疾患が多いことがわかりました。その中でもピルビン酸キナーゼ欠損症による貧血は特に発症リスクが高いとされています。元気がなく寝てばかりいるような様子がみられる時は早めに病院で診てもらうようにしましょう。
肥大型心筋症も多い病気で、発症した場合は薬を投与することで症状をコントロールしますが、重篤な場合は命にも関わる病気です。定期的な検診である程度予防できるので欠かさず受けることが大切です。
皮膚系の病気も多く、環境による細菌感染で起こる場合以外に、繊細な性格によるストレスから過度にグルーミングしてしまうため皮膚炎を起こしてしまう場合もあるようです。ブラッシングの時に皮膚の状態に注意するほか、グルーミングの回数が増えていないか十分に気を付けましょう。

歴史

起源についてわかっていないことが多い猫種ですが、始まりはシンガポールに生息していた野生の猫だと言われています。下水溝の中でネズミを捕って暮らしていたことからドレインキャットと呼ばれていました。
1974年アメリカ人のミセス・トミー・メドゥがご主人の赴任先のシンガポールでシンガプーラと出会い、1975年帰国することになった時、5頭のシンガプーラを自国に連れて帰りました。帰国後、さっそく育種を開始し、1988年には純血種「シンガプーラ」として血統が公認され、キャットショーの出場を機に世界中で人気となりました。その小さな体と可愛い顔などから「小さな妖精」と呼ばれています。

ヒマラヤン【Himalayan】

ヒマラヤン/ペット図鑑

原産国 イギリス
公認団体 TICA
毛種 長毛種

特徴

人気の猫で、一つの猫種のように扱われていますが、多くの猫協会ではペルシャの毛色のバリエーションの一つという位置付けになっています。
猫の王様と呼ばれるペルシャとシャムを交配して誕生したので、ペルシャの絹のような滑らかな長毛とシャムのエキゾチックな毛色を持ち合わせているのが特徴です。しっかりとした骨格で、体は丈夫で力強さがあります。顔の形はまん丸で、短くつぶれた鼻も特徴的です。

性格

優しくのんびりとしていますが、他のカラーのペルシャよりも行動的です。人なつこいシャム猫の血が半分入っているからか、他のカラーのペルシャよりも社交性が高く、人や他のペットとも仲良くできます。遊ぶのは大好きですが、ペルシャ同様高いところに登るのは得意ではありません。

毛色

毛色は、シール、チョコレート、ブルー、フォーン、クリームなど様々ですが、耳、口元、脚、尾などに現れるポイントカラーを持つことが最大の特徴です。

育て方

賢い猫なので、しつけは難しくありません。遊び好きですが運動はあまり得意でなく、激しく動き回ることを好みません。小さなおもちゃなどを使って遊んであげましょう。太りやすい傾向がありますので食事管理も大切です。
長毛のダブルコートなのでお手入れは必須です。毛玉にならないように出来るだけ毎日コーミングかブラッシングをしてください。

気をつけたい病気

遺伝性疾患が多いペルシャの性質を受け継いでいますが、命にかかわるほどの重大な病気はあまりないと言われています。
尿石ができやすい傾向があり、尿路閉鎖になると命にかかわりますので、ふだんからよくお水を飲むように工夫し、おしっこの量や色にはよく注意してあげましょう。
流涙症は鼻が短い猫がかかりやすい病気です。日頃から目やにの量に注意し、こまめに拭き取ってあげましょう。
毛球症になると嘔吐や便秘、食欲不振などを起こします。普段からこまめにブラッシングをして飲み込んでしまう毛の量を減らしてあげてください。

歴史

ペルシャは最古の猫種と言われるほど古くから存在する猫です。その起源は諸説ありますが、はっきりしたことはわかっていません。1800年代にイギリスで計画的に繁殖され、ロンドンで開かれた世界初の公式なキャットショーに登場、以来人気の猫種となり「猫の王様」と呼ばれています。
ペルシャのさまざまなカラーバリエーションが作られていく中で、1930年代アメリカで長毛のペルシャにシャム猫の美しいポイントカラーを加えたいと考えたブリーダーたちによって計画的な繁殖が行われた結果、ヒマラヤンが誕生しました。その後爆発的に人気となり、一つの猫種として認定されたこともありましたが、現在多くの猫協会では、ペルシャの毛色のバリエーションの一つという位置付けになっています。
名前のヒマラヤンは、特徴的なポイントカラーがヒマラヤウサギに似ていることに由来しています。

ブリティッシュショートヘア【British Shorthair】

ブリティッシュショートヘア/ペット図鑑

原産国 イギリス
公認団体 CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF
毛種 短毛種

特徴

中型から大型のセミコビーで、厚みのあるがっしりとした体型をしています。鼻は低めで、頭や額、大きな目は、どれも丸みを帯びています。足は骨太で少し短いところが特徴的です。被毛は短毛ですが密度が高く厚みがあり、やや固めで、ベルベットのような手触りです。

性格

普段はのんびりと穏やかに過ごすことが好きです。自立心が強いため、抱っこされたり撫でられたりすることは好みませんが、おもちゃで遊ぶことは大好きで、褒められることも大好きです。警戒心が強いため、心を許した家族には甘えん坊の一面を覗かせますが、家族以外の他人にはあまり懐きません。

毛色

独特の灰色は、別名「ブリティッシュブルー」と呼ばれるほど代表的な色です。異種交配の過程でいろいろな毛色を取り込んだため、今ではあらゆるカラーとパターンが発現します。

育て方

性格は穏やかですが、身体能力がある上、とても運動好きなので、運動できるスペースは必須です。スペースがない場合は、キャットタワーを設置して運動不足にならないよう工夫してあげましょう。体質的に太りやすい傾向があるので運動と共に食事管理も大切です。
短毛のダブルコートなので被毛の手入れは簡単な方ですが、気難しい面があり成猫になってからシャンプーやグルーミングを嫌がることがあるので、子猫の頃から慣らしておくとよいでしょう。
賢いので飼い主の言葉を理解して学習するため、しつけはしやすい猫種です。褒められることが好きなので、上手に出来た時は褒めてあげましょう。

気をつけたい病気

猫の血液型はA型がほとんどですが、ブリティッシュショートヘアは、珍しくB型が多いことが知られています。猫は血液型の違う相手との輸血に対する抗体のショックが非常に大きいので、治療で輸血が必要な時や、妊娠・出産の時には注意が必要です。万一に備えて、あらかじめ動物病院で血液型の判定を受けておくことが大切です。
非常に古くから存在する猫種のため健康で丈夫、遺伝性疾患も少ないのですが、糖尿病、尿結石、肥大型心筋症などは起こりやすいと言われています。普段から健康状態に気をつけ定期的に健康診断を受けるとよいでしょう。

歴史

起源は古く、2世紀ごろに古代ローマがイギリスへ侵攻する際に連れてきた猫と言われています。長い間ネズミを駆除するハンターとして活躍してきました。19世紀頃、イギリスでは土着猫への関心が高まり、品種確立に力を注ぐようになります。1870年代に入ると国内のキャットショーで多くの賞を獲得し、1900年代には品種の標準化が確立しました。
1620年代、アメリカへの移民の際にメイフラワー号に乗っていたとされ、アメリカンショートヘア種の基礎となったと考えられています。また、ルイス・キャロルの童話「不思議の国のアリス」に登場するチェシャ猫のモデルと言われています。

ラグドール【Ragdoll】

ラグドール/ペット図鑑

原産国 アメリカ
公認団体 CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF
毛種 長毛種

特徴

ふわふわした絹のようなセミロングの毛と、輝くブルーの瞳が印象的です。体格は頑強で重量感があり、ふさふさした尾は体長と同じくらいの長さがあります。ラグドールから派生したラガマフィンとは、見た目や性格が似ているといわれています。

性格

名前は、英語で「ぬいぐるみ人形」という意味、おだやかで人に抱っこされるのが大好きです。相手が子どもや他人でも抱っこされると全力で体を預けてしまうほどです。おっとりした性格なので、激しい遊びにはあまり関心を示しません。しつけもしやすく、騒いだりしないので、初めての方にも飼いやすい猫種です。

毛色

毛色は、ポインテッドのみで、ホワイトからクリーム系をベースに、シール、ブルー、レッド、クリームなどの色味が組み合わさります。斑の入り方に特徴があり、顔や手足、尻尾などにアクセントが入る「ポイント」、おなかや手足に色が入る「ミテッド」、2つの色が混じりあう「トーティ」、2色が分かれている「バイカラー」、ポイントの部分が縞模様になる「リンクスポイント」があります。
生まれた時は、ほぼ全身が白く、成長するにつれて顔回りや耳、しっぽの色味がはっきりしてきます。完全に発色するまで2年近くかかることもあります。

育て方

体が大きいので成猫になるまで3~4年はかかります。しっかりした体と美しい被毛を作るために、バランスの良い栄養の食事を与えるようにしましょう。
若猫時代は非常に活発です。キャットタワーを設ける場合は大きな体の動きに耐える広くゆったりした台座やハウスを備えた大きなキャットタワーを選び、しっかり固定しましょう。
毛量が豊富なので毎日のブラッシングが欠かせませんが、もつれることはあまりなく、お手入れはしやすい方です。しっぽだけは、あまりいじると貧相になってしまうことがあるので、軽くブラシを通す程度にした方が良いでしょう。
人懐っこい性格で飼い主と一緒に過ごすのが大好きなので、抱き上げたり膝に乗せたりして、たくさん甘えさせてあげてください。スキンシップは猫のストレス軽減にもつながります。

気をつけたい病気

遺伝性疾患は比較的少ないとされていますが、肥大型心筋症はしばしば起こるようです。この病気になると、疲れやすくなったり呼吸が早くなったり苦しくなったりする症状が見られます。薬によって病気の進行を遅らせることができますので、早期発見のためにも定期健診が重要です。
膀胱炎や尿結石では、トイレが近くなり血液の混じった濃い尿をすることがありまので、尿の変化には常に気を配るようにしてください。
皮膚炎や毛球症は、定期的なブラッシングやコーミングで予防することができます。換毛期には特にこまめに行いましょう。

歴史

1960年代に、アメリカ・カリフォルニア州に住むペルシャのブリーダー、アン・ベイカーが、ホワイトのペルシャとシールポイントのバーマンを交配させました。次にその生れた猫にセーブルのバーミーズを交配させてラグドールは誕生しました。
アン・ベーカーは既存の猫血統登録団体には登録せず、IRCAという新しい組織を設立し、「IRCA登録のブリーダーしかラグドールという名を使うことができない」という形で商売を始めました。 1975年、一部のグループがラグドールをもっと世に広めるための独自の活動を始め、その後の登録に貢献したと言われています。また1994年には別のグループがIRCAから独立し、のちにラグドールの血統から「ラガマフィン」という猫種を作り出しました。

ロシアンブルー【Russian Blue】

ロシアンブルー/ペット図鑑

原産国 ロシア
公認団体 CFA ・ TICA ・ FIFe
毛種 短毛種

特徴

エメラルドグリーンの大きな目と、ベルベットのような手触りのブルー(灰色)の被毛が特徴的で、全体的に気品溢れる雰囲気を持っています。三角に尖った耳を持ち、頭をすっと持ち上げたような姿勢(コブラヘッド)をしています。口角が持ち上がり笑っているように見えることから、その顔はロシアンスマイルと呼ばれています。

性格

飼い主に対しては、忠実で甘えん坊ですが、気位が高く気まぐれなので、誰にでも懐くことはあまりなく、好む相手を選ぶ一面もあります。あまり鳴かない猫でボイスレス・キャットという別名があるくらいおとなしい性格です。

毛色

ブルー(灰色)の単色のみが認められています。1本1本の毛の先にはシルバー色のティッピングと呼ばれる濃淡があるため、光の加減によってシルバーブルーに美しく輝いて見えます。

育て方

短毛ですが、ダブルコートなので抜け毛はかなりあります。特に換毛期は抜け毛が多いので、ツヤを保つためにも小まめなブラッシングは欠かせません。我の強い面があるので子猫の頃からブラッシングなどのケアに慣らしておくことが大切です。
活発で甘えん坊なので積極的に遊んであげてください。キャットタワーを用意してあげるのも良いでしょう。

気をつけたい病気

純血猫種としては遺伝性の病気が非常に少ない猫だと言われていますが、腎不全や糖尿病、尿路結石症などには注意が必要です。普段から正しい食事と運動の知識をもって気をつけてあげることで予防することができます。また、早期発見・早期治療のため特に中年齢以降はこまめに健康診断を受けるようにしましょう。

歴史

祖先は ロシアの土着の猫といわれていますが、はっきりしたことはわかっていません。ロシア皇帝が飼っていた猫の子孫だという噂のほか、ロシアの貴族に寵愛されていたという話もあり、「猫の貴公子」や「ロシアの貴公子」などと呼ばれているようです。
ロシアから海外に出るようになったのは19世紀半ばになってからで、1860年代に北極圏に近いアルハンゲリスクの港からイギリスに向かう商船の中に、ロシアンブルーが乗っていたといわれています。この時代アルハンゲルキャット(英語でアークエンジェルキャット)など、いくつかの別名があったようで、20世紀初頭までアメリカではマルティーズキャットという名前で知られていました。
初期のキャットショーにおいて、短毛のブルーの猫はひとつのクラス内で競っていましたが、高貴で優雅な姿から愛猫家たちの中で人気となり1912年にロシアンブルーとして独自のクラスが認められました。
第二次世界大戦の間に個体数が少なくなり絶滅の危機に陥りましたが、イギリスやアメリカなどのブリーダーたちが共同で、シャムやブリティッシュショートヘアとの異種交配により回復が試みられ、かつての姿を取り戻すことができました。1960年代以降は常に一定して高い人気を誇っています。
ロシアンブルーから派生した品種として、長毛のブルー被毛を持つネベロングという猫種がいます。