ビションフリーゼ【Bichon Frise】

ビションフリーゼ/ペット図鑑

原産国 フランス
体重 5~6kg
体高 30cm以下
グルーブ 9G

特徴

小型の愛玩犬の中では骨量や筋肉量が豊富で体がしっかりしているので小さいながらも逞しさがあります。快活な歩き方や動作が特徴的です。
豊かな絹糸のような被毛はダブルコートで、上毛は粗めの巻き毛、下毛は細く柔らかな毛です。綿菓子のような丸いカットスタイルはビションフリーゼ独特のもので、パウダー・パフと呼ばれます。

性格

陽気で快活、フレンドリーな性格なので、初めて会う人や他の犬とも仲よくできます。賢く素直なのでしつけはしやすく、飲み込みも早いほうです。反面、わがままなところもあり、自分が中心じゃないと気が済まないというような態度をみせることもあります。

毛色

毛色は純白の1色だけです。子犬の頃は、足の先や耳などに薄いベージュの被毛がある場合がありますが、成犬になるまでにはほとんどが真っ白へと変化していきます。

育て方

小型犬としてはかなり体力があり、体もしっかりしているので、毎日朝夕15分程度の散歩のほか、室内でもおもちゃでたくさん遊んであげてください。
純白の被毛が魅力の犬種ですから、毎日やさしくブラッシングをしたり、定期的にシャンプーをして、美しい状態を維持してあげましょう。パウダー・パフのスタイルは、トリミングのプロでなければ作ることが難しいので、少なくとも月に1度はプロにトリミングしてもらわないと維持できません。

気をつけたい病気

純血種の小型犬ですが、遺伝病が少ないといわれています。
尿路結石症にかかりやすく、尿管が詰まって排尿ができなくなると最悪の場合は短い間に死に至ることもあるので、早期発見が重要です。
膝蓋骨脱臼などの関節のトラブルを起こしやすい犬種なので、滑りやすいフローリングの床にはマットを敷いたり、高いところから飛び降りさせないなどの注意も必要です。
ほかに、皮膚病なども起こしやすいといわれています。

歴史

地中海沿岸で漁の手伝いをしていたウォータースパニエルという犬と白い小型犬を掛け合わせて作られたといわれています。この掛け合わせからビション・タイプ と言われる4種類の犬が作出され、そのうちの1つがのちにビションフリーゼとなるテネリフェという犬です。テネリフェはスペインの船乗りたちの手によってカナリア諸島のテネリフェ島に持ち込まれ、その名前が付けられました。
14世紀には、テネリフェ島からイタリアへ持ち込まれ、イタリアの貴婦人を中心に人気を博し、16世紀にはフランスへ広まり、フランシス1世やアンリ3世など王室にも好まれました。また、さらに小型化が進んで洗練された容姿を持つようになりました。17、18世紀には、ヨーロッパ中の貴族に愛され、多くの画家が王や貴族に付き添うビションフリーゼの姿を描いています。しかし、フランス革命では“貴族の犬”という理由で多くのビションフリーゼが処分されてしまいました。今まで貴族たちによる手厚い保護を受けることにより純粋な血統が守られていましたが、19世紀後半には一般大衆にも飼育されるようになり、様々な種類の犬との掛け合わせが進んで、第1次世界大戦の頃には純粋な血統のビションフリーゼは絶滅寸前となってしまいます。
しかし、フランスの繁殖家によって血統を復元する動きがあり、1933年にはビションフリーゼと改名、翌1934年フランスのケンネルクラブで公認されました。1950年代にアメリカへと紹介され1960年代に「パウダー・パフ」という独特のカットスタイルが考案されてから爆発的な人気を得て、1973年にアメリカンケネルクラブに公認されました。現在は日本でも愛好家を中心に人気が高まっています。