プロとして守る「境界線」と「合理的配慮」のあり方について
1. 「合理的配慮」と「過度な負担」の違いについて
近年、福祉やビジネスの現場で「合理的配慮」という言葉が重視されています。
当方でも、お客様の状況に合わせた柔軟な対応を心がけておりますが、それはあくまで「ペットシッター業務を安全・円滑に遂行するため」のものです。
例えば、文字(LINE)による正確な情報伝達や、鍵の受け渡し方法の工夫などは、プロとして当然の配慮です。
しかし、「深夜・早朝の電話対応」、「言葉にされない意図を察して動くことの強要」、「受診判断など、飼い主様が負うべき決定責任の肩代わり」等は、合理的配慮の範囲を超えた「過度な負担」にあたります。
2. 小規模事業者における「免除」と「過重な負担」
改正障害者差別解消法においても、合理的配慮は「事業者に過重な負担がない範囲」で行うものとされています。特に当方のような個人運営の小規模事業においては、以下のケースは免除、または制限の対象となります。
事業者の心身の健康を損なう、非常識な時間帯の対応
本来の業務(ペットのケア)に支障をきたす、過度な情緒的サポートや事務作業
事業の継続(シッターが倒れてしまうリスク)に直結する無理な要求
一人のシッターが常にいつでもお電話等の要求に答え寝ずに対応し続けなければ成り立たないような要求は、本来の「合理的配慮」の枠組みから外れたものです。私は、お預かりしているすべてのペットさんのために、万全の体調で現場に向かう責任があります。
3. 専門職としての役割分担(PSWの経験から)
私は以前、精神保健福祉士(PSW)として対人援助の現場に身を置いていました。その経験から、様々なご家庭の事情や心境があることは重々理解しております。
しかし、現在の私の役割は「ペットシッター」です。
生活の困りごと、心の問題、家庭内の意思決定については、それぞれの専門機関(役所、カウンセラー、相談支援事業所など)が担うべき領域です。
シッターという立場を超えて、本来専門機関が関与すべき領域まで私一人が背負うことは、役割を混同させ、結果として「命を預かる業務」の質を低下させるリスクに繋がります。
4. 「業務外の業務」をお断りする理由
私が「記録の残るLINEでのやり取り」や「営業時間」の遵守を徹底するのは、プロとしての規律です。
情報の正確性: 命に関わる現場で「言った言わない」の相違を防ぐためです。
自己管理義務: どの現場にも最高の集中力で向かうためです。
公平性: 特定の方への過度な支援で、他のお客様への質を落とさないためです。
ペットシッター事業所は、当店に関わらず、お電話等も、直ぐに出られなかったり、できなかったりすることが多々あります。
また、自身の憶測や「よかれと思って」で始めた業務外の支援が、責任の所在を曖昧にし、トラブルを招いては本末転倒です。
🕊️ 結び:持続可能なサポートのために
当方は、ペットさんと飼い主様の安心を第一に考えております。
そのためにも、業務の範囲とご指示の内容と当店のサービス内容の範囲を、シッター確認条項を了承いただいた上で契約関係を結び、皆様に守っていただくようお願いしております。
互いに自立した関係で、ペットさんを支えていく。
そのための「一線」であることを、何卒ご理解いただければ幸いです。




