ペット後見とは
【ペット後見って知ってる?】
もしものときに愛するペットを守るためにできること
こんにちは。
今日は、大切な家族の一員「ペット」のために知っておいてほしいことをお話しします。
突然ですが、「ペット後見」って聞いたことありますか?
まだあまり知られていない言葉ですが、実はとても重要な考え方なんです。
■ もしも、明日あなたが…
想像してみてください。
事故や病気で突然、入院してしまったとしたら…。
その間、あなたのペットはどうなってしまうでしょうか?
■ 実際にあった話
私の知人であるペットシッターが、こんな経験をしました。
高齢で一人暮らしの飼い主さんが突然倒れ、緊急入院。1週間後、容態が落ち着いてから「家に愛犬を置いたまま…」と話し始めたそうです。
それを聞いた看護師さんがすぐに動物愛護団体へSOS。
そこから知人に連絡が入り、夜遅くに20km離れた家へ急行しました。
家に入ると、床には排泄物が広がり、水の容器は空っぽ、部屋は荒れ放題…。
そんな中、2階の片隅に愛犬が。奇跡的に生きていて、差し出したフードと水を夢中で食べてくれたそうです。
「本当によく頑張ったね…!生きていてくれてありがとう!!」と、彼女は何度も言っていました。
■でも、これは運がよかったケース
今回は看護師さんの機転と迅速な行動で命が救われました。
でも、少しでも対応が遅れていたら、最悪の結果になっていたかもしれません。
たとえ近所の人が異変に気づいても、勝手に家に入ることはできません。
ペットが助けを求めていても、法律の壁に阻まれてしまうのが現実なんです。
■ 「ペット後見」ってなに?
「ペット後見」は、そんな“もしも”に備えて、
・ペットの世話をしてくれる支援者
・必要な飼育費用
を、事前に準備しておくという考え方です。
■ 誰にでも起こり得る“もしも”
高齢者や一人暮らしに限らず、どんな人でも事故や災害に遭う可能性があります。
家族がいても、
・多忙で世話ができない
・高齢で体力がない
・ペット不可の住居に住んでいる
・動物アレルギーがある
・遠方に住んでいて駆けつけられない
など、すぐに対応できるとは限りません。
■ 支援者の選び方
支援者は、家族や親族に限りません。
信頼できる友人やペットシッター、ペットホテル、保護団体、老犬・老猫ホームなども選択肢です。
ただし、「親族がどうにかしてくれるだろう」と思って丸投げにすると、トラブルの元になります。
大切なのは、話し合いと合意。
そして、次のような情報を記録して支援者と共有できるようにしておきましょう。
・名前、年齢、性別
・性格
・持病、投薬、アレルギーの有無
・去勢・避妊手術済かどうか
これがあるだけで、支援者は安心してお世話ができます。
■ お金の準備も忘れずに
ペットを託すには、お金も必要です。
飼育費用を遺す方法としては、
・生前贈与
・遺言書
・ペット信託
・生命保険
などがあります。
ただし注意!
ペットには直接財産を遺せません。
日本の法律では、ペットは「物」として扱われるためです。
ですので、財産は「ペットを託す人」に渡す形になります。
■ 「ペット信託」って便利!
ペット信託を使えば、さらに具体的に取り決めができます。
たとえば…
・生前に病気や認知症などでお世話が難しくなったとき
・死後もペットの飼育が継続されるようにしたいとき
など、柔軟に対応可能なんです。
▶ 詳しくはこちら:ペット信託とは?
「ペット信託」って何? 愛するペットを、新しい飼い主へ確実に託す方法 | 「犬や猫ともっと幸せに」をコンセプトにしたWEBメディア「sippo」—
■ 全国に広がるペット後見の取り組み
今、全国の自治体や団体でも「ペット後見」に関心が高まっています。
以前は高齢や一人暮らしを理由に譲渡を断っていた保護団体も、ペット後見の仕組みによって新しい飼い主の幅が広がっています。
■ 最後に:小さな命を守るために
ペットは私たちの大切な家族。
その命を守れるのは、飼い主である私たちしかいません。
だからこそ、今できる備えを考え、準備していきましょう。
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▼参考リンク集
・ペット後見とは?:ペット後見とは? | ペット後見.jp|ペット信託やペットの遺言・遺贈で、動物たちの将来を守る仕組みづくり
・練馬区公式ホームページ もしものとき、大切なペットの将来は大丈夫ですか?もしものとき、大切なペットの将来は大丈夫ですか?:練馬区公式ホームページ
・『私が死んだあとも愛する猫を守る本』(富田園子 著/日東書院)私が死んだあとも愛する猫を守る本 | 富田 園子, はしもとみお, 行政書士 磨田薫 |本 | 通販 | Amazon